- 初日は登山口からすぐに絶壁を進む道になった。岩をコの字にくりぬいた鎖の手すりの着いた道を進んだ。下山してきた女性二人組がヘルメットを付けていたので「この先、険しいんですか」と聞くと、「切れ落ちているところや、崩れているところがあって険しい」との返事だった。
- 揺れる吊橋をいくつも通った。千尋滝付近からは紅葉がきれいになった。トンネル出口で滝になった水を浴びると猪(シシ)ヶ淵に着いた。水辺まで下りると青い水と谷間の先にニコニコ滝が見えてきれいだった。
- 猪ヶ淵からは急坂が多くなった。平等嵓の吊橋は以前に通ったときよりも新しくなっていた。平等嵓の絶壁は迫力が有り、この先に小屋が有るとは思えなかった。
- この日は桃ノ木山の家に宿泊した。一度に3人ほどが入れる風呂は、新しい檜の香りがする女性風呂の方が行列ができていて混んでいた。夕食前はビールやウイスキーで歓談した。
- 二日目、出発するとすぐに七ツ釜滝に着いた。紅葉がきれいだった。滝の上流の吊橋を渡ると岩のへつりが続く道になった。黒部の下ノ廊下に似た雰囲気だった。光滝手前には崩壊地と広い川原が有った。隠滝は吊橋のすぐ脇を流れ落ちる滝だった。次々現れる滝を楽しみながら進むと堂倉滝に着いた。広い滝壺にまっすぐに落ちる滝だった。
- 堂倉滝からは沢を離れた。ストックを出して整備された尾根道を登った。避難小屋まで登って昼食休憩にした。
- 更に紅葉を楽しみながら登り、最後に笹原が出てくると大台ヶ原山頂の日出ヶ岳(ひでがたけ)に着いた。展望を楽しんだ後、大台ヶ原駐車場に下山した。
- 最終日は、まず日出ヶ岳まで登り返した。空気の澄んだ良い天気で、山頂の展望台にいた人達は「富士山が見える」とはしゃいでいた。
- 正木嶺を通り正木平へ向った。木の階段が敷設されていた。周辺は笹原で立ち枯れの木も多かった。
- あずまやの有る尾鷲辻を通り、ブナの木を見ながら進んで行くと次第に尾根が狭くなった。最後に下り気味になると大蛇嵓展望台に着いた。鎖の手すりが付いていた。右手の岩壁からはクライマーの声が聞こえてきた。正面には大峰山脈がくっきりと見えていた。
- 最後は紅葉のきれいなシオカラ谷吊橋を通って大台ヶ原駐車場に戻った。
- 三日間とも好天で素晴らしい山行だった。