- まだ暗いうちに登山口を出発した。月がおぼろに見える曇り空だった。林道入口には前年には無かった鹿よけフェンスが設置されていた。暗くて明け方が分からず乗り越えて通過した。標高50m付近から林道は雪面になった。尾根の取付き点を少し通り過ぎてしまい、戻ってから尾根に取付いた。
- 最初、少なかった積雪も、やがて増えてきた。足が雪にもぐるようなったので、鉄塔ピークの手前でワカンをつけた。鉄塔ピークは少し地面が出ていた。
- 341ピークへの登りで熊の足跡を見た。341mピークでうっかり南側の尾根に引き込まれてしまい、前回の記憶にない藪に入って気がつき、引き返した。
- 400mの丘まで快適な雪の登りが続いた。鳥のさえずりが遠くに聞こえた。400mの丘からは海別岳が見えた。400mの丘から少し下ったところにも熊の足跡が有った。
- ダケカンバの森をしばらく進んだ後、標高520m付近の急坂になった。急坂を登り終えると針葉樹の森になった。
- 森林限界を超えると雪が硬くなった。ワカンからアイゼンに履き替えた。アイゼンの歯がよく効いた。風が少し有った。次第に青空が広がってきた。
- 山頂への急坂になると風が強くなって来た。地形図を見て山頂へは右手から回り込んだ方が良さそうに思い肩を目指して尾根の右斜面を登って行った。雪は所々氷っていた。
- 肩に出ると、反対側は絶壁だった。強い西風が吹いていた。冬山用の上着を着た。左手には山頂が尖って見えた。あまり絶壁に近づかないようしながら山頂へ向かった。
- 山頂に着いたときは青空になっていた。西風が強かった。国後島がうっすら見えた。羅臼岳は雲に隠れていた。
- 下りは尾根伝いの方が返って勾配がゆるそうなので尾根伝いに下った。1074mまで下ると風も緩んできたので昼食休憩にした。山頂を振り返ると3人組が登って行くのが見えた。急坂が終わったところに3人組のデポしたスキーが有った。森林限界まで下ってからアイゼンをワカンに交換し、冬用の上着を脱いだ。
- 帰りの樹林帯は雪がだいぶ緩んできてワカンでも5-10cmもぐり足取りが重くなった。筋肉痛になると翌日の山行に支障が出るので、あまり急がないよう歩いた。
- 鉄塔ピークで休んでいると3人組に追いつかれた。びっくりしたことに女性のグループだった。釧路の山岳会との事だった。静岡から来たと言うとびっくりされた。「熊はこわくなかったですか」と言われた。
- 林道に出るところで少し迷い地形図を見ながら右往左往した。最後の林道歩きでは行きには見なかった真新しい熊の足跡が有った。