- 初日は上高地から徳沢までゆっくり歩いた。明神を過ぎると観光客が減ってきた。徳沢に着く手前では明神岳が良く見えた。徳沢のテントは約60張りだった。夕方になるまでワインを飲んでくつろいだ。
- 二日目は快晴だった。テントに不要な荷物を置き薄暗いうちに出発した。新村橋は床の木が濡れていて滑りやすかった。沢沿いの登りになると行く手に岩峰が見えてきた。林道終点から少し登ると最後の堰堤だった。堰堤近くで一休みした。
- ナイロンザイルの慰霊ケルンを見た後、山道を登っていくと次第に木々が黄葉してきた。中畠新道分岐手前で視界が得られ、これから進む松高ルンゼ方面が良く見えた。
- 分岐で一休み後、涸沢へ行く道と分かれて中畠新道を尾根の基部に向かって登っていった。ガラガラの岩の道だった。尾根から中学生くらいの女の子を連れた3人家族が下りてきた。「すぐ先の岩が滑るので引き返してきた」との事だった。
- 尾根に取り付くとすぐに濡れて滑りやすい岩が有った。手がかりで木が掴みにくく苦労して三点確保で慎重に通過した。少し緊張した。
- 岩尾根からやがて土の登りが多くなった。シラビソとナナカマドが多くなって来た。林床は笹だった。振り返ると常念岳が見えた。やがて大きな荷物を背負った3人組とすれ違った。標高2130m地点が小広場になっていたので小休止した。
- 標高2250m付近で岩の沢(松高ルンゼ)に出た。水が流れていた。岩の登りから潅木帯を抜けるとカールのような地形に出た。30歳くらいの男女に抜かれた。男性は長靴を履いていた。
- 左斜め上に黄葉した草地を登っていくと奥又白池に着いた。抜いていった二人組が池の反対側に休んでいた。他の登山者はいなかった。静かな池だった。池に前穂北尾根が映っていた。池の周囲ではナナカマドの実と少し残った紅葉がきれいだった。単独行が登ってきたがすぐ下山して行った。池のほとりでのんびりとした時間を過ごした。
- たっぷり休んでから名残惜しい池を後にした。下りは往路を戻った。下り始めの分岐で間違えて前穂北尾根(5・6のコル)方面へ進んでしまい。5分ほどロスした。下り始めて約30分後に単独行とすれ違い、池で休んでいた二人組にぬかされた。標高2130m地点の小広場で振り返ると、ゆっくり流れる丸い雲と岩尾根がきれいに見えた。風がさわやかだった。登りで苦労した尾根末端の岩場は、乾いていて難なく通過した。新村橋の手前には30匹くらいの猿の群れがいた。徳沢に着いてから軽く打ち上げをした。この日は日曜でテントは約20張に減っていた。
- 最終日は曇りだった。明神からは梓川対岸の木道ををゆっくりと上高地バスターミナルに戻った。