- 米原までの新幹線自由席は、ほぼ満席だった。東の空が赤くそまっていた。ここにいる人たちは、新幹線で初日の出を迎えるのかと思った。米原で乗り換え、敦賀まで普通列車に乗った。座席は3割ほと埋まっていた。車窓を眺めているうちに、いつの間にか日の出時刻を過ぎ、すっかり明るなった。
- 無人駅の粟野で下りたのは一人だけだった。支度をしているうちに自動的に照明が消えた。時計を見ると8時だった。少し青空がのぞく中、出発した。
- 「野坂山いこいの森」の登山口までは車道歩きだった。登山口にはノートが設置されていた。ノートをめくってみると毎日のように登っている人がいた。ノートに名前を記載して登りだした。
- トチの木地蔵の手前で山頂の小屋に泊まったと思われる11人組とすれ違った。トチの木地蔵は水場になっていた。
- 標高500m付近から雪が現れだした。トレースはしっかりしていた。登山道は一ノ岳を巻いて二ノ岳との鞍部に通じていた。途中の斜面に一ノ岳の表示があり、ながめが良かった。
- 灌木帯を通り、二ノ岳まで登ると、ブナや杉などの背の高い木が増えてきた。三ノ岳へは、やや急な登りだった。登りきると更に先に本峰が大きく見え少しがっかりした。本峰の山頂部には、山小屋が学校の校舎のように見えた。
- 三ノ岳から意外に短時間で本峰に着いた。山小屋は最初に思ったほど大きくはなく、10人も宿泊すれば満員になりそうだった。山頂に着くとすぐ青空が広がり始めた。360度の展望だった。敦賀市制50周年記念の展望板が有った。敦賀の街並みが見下ろせた。積雪は10cmくらいだった。雪の上を見ると1mm位の小さな黒い虫がたくさんいた。展望板の礎石に腰を下ろして休憩した。
- 出発前に小屋の中をのぞいてい見た。小さな社が有った。ノートがあったので感想を数行記載した。
- 帰りはブナの美林の写真を撮りながら下った。この日は25人位の登山者に会った。