- 長良川鉄道の沿線は、桜の花が満開になっていた。郡上八幡を過ぎて山田駅まで来ると、前方に白い山が見えた。
- 美濃白鳥からのバスの乗客は6人で、終点の上在所で下りたのは、小里さんと私の我々2人だけだった。林道はしばらく進むと雪が出てきた。
- 和田山牧場で先行の6名に合流した。6名はすでに野伏ヶ岳に行ってきたところだった。遅れてきた我々は翌日2人で山頂まで登る予定だった。牧場の雪は10-20cmで、ところどころ地面も見えていた。雪がとけて草の出ているところにテントを設営し、さっそく宴会の準備をした。広々とした和田山牧場からは野伏ヶ岳を始め、大日ヶ岳や白山の別山が見えた。日が照っている間は暖かだったが、日が暮れるとすぐに寒くなってきた。我々2人は翌日に備え一足先に就寝した。
- 翌日は4時に起床。早朝のテントの中は5℃で意外に冷え込まなかった。早朝のありがたい見送りの中、暗いうちに出発した。林道がダイレクト尾根につきあたり左にカープしているところから尾根に直登した。雪が少し固くなっていたのでアイゼンをつけた。
- ダイレクト尾根の積雪は約50cmだった。ところどころブッシュが出ていた。スキーをするには難しいかもしれないが歩くには支障がなかった。山頂直下の北東側の尾根への合流点付近がやや急だった。
- 山頂からは白山や荒島岳が良く見えた。大日ヶ岳は逆光になっていた。
- 下りは、登りの時よりもだいぶ雪がやわらかくなっていた。かん木の間をつがいの小鳥が飛び回っていた。ウグイスが鳴いていた。行きに通った直登ルートを見落としてしまい、尾根を林道との合流点近くまで下りてしまった。
- 牧場に戻った時には、他のテントは出発していた。バスの出発時間まで間があったので春の日をあびながら昼寝をした。時々キツツキが木をたたくドラムの音や鳥のさえずりが聞こえた。
- いつまでもいたい気分だったが、時間が来たのでテントをたたんで出発した。バス停に着く直前で、山中で会った単独行者に車に乗っていかないか誘われ、美濃白鳥の駅まで乗せてもらった。1本早い列車に乗れ、自宅には1時間半近く早く着く事ができた。