- バス終点の西丹沢ビジターセンターで下車したのは他には若い女性登山者1人だけだった。登山届を記載してポストへ投入し、売っていたアイスクリームを帰りに食べようと思いながら出発した。
- 鉄の吊橋を渡り、20m堰堤左端の階段を登ると広い河原に出た。天気は良く白い河原の石がまぶしかった。奥の水流脇の木陰まで進み沢靴に交換して、遡行を開始した。水の深さは膝下くらいだった。
- 登山道の渡渉箇所を過ぎると沢は森の中へと入っていった。小滝を楽しみながら登って行くと、最初の堰堤10mの直下にナメが有った。トイ状になっていて激流だった。流されないようロープを使って登った。堰堤は右側の登山道を使って巻いた。
- 再び沢に入って遡行を続けた。岩が白く、水底がブルーに染まってきれいだった。交差する登山道の木橋は流されているものが多く渡渉箇所になっていた。標高約660mの登山道交差地点では、木橋は流れの有る所ではなく流れの無い方にかかっていた。
- 次の登山道交差点には木橋がかかっていた。木橋の横を通ると8m堰堤が迫ってきた。堰堤手前で手をつこうとした岩の上にヒキガエルがいてびっくりした。堰堤は右の登山道まで上がって巻いた。
- 小さなナメやブルーの淵を楽しみながら登ると2段3mの滝に着いた。下段は水流のすぐ左を、幅広できれいな上段は水流の少ない右寄りを登った。次の釜の有る1m滝は釜の左縁を登った。その先の5m滝は手前で交差する登山道を使って左から巻いた。滝上の白い大岩の所で一休みした。
- 快適なナメを登って行くと10m堰堤に着いた。右側の鎖の有る登山道を使って巻いた。堰堤には「昭和8年 内務省」との表示が有った。堰堤の先では、流れに逆らって素早く泳ぐ魚影を時々見た。
- 左手の登山道脇に休憩用のテーブルを見ると二俣に着いた。左に5分程進むと下棚(しもんだな)40mの滝が有った。日が当たり、岩に沿って白く流れる滝がきれいだった。涼しくて快適だった。
- 二俣に戻り本流を更に上流へ進むと本棚(ほんだな)70mの滝に着いた。迫力が有った。滝の水流から10m以上離れていても霧となった水しぶきが全身にかかった。反対側にかかる枯棚120mの滝にも水が少し流れていた。体が冷えるので、ゆっくりもできず早々に引き返すことにした。
- 帰りは登山道を下った。沢靴は履いたままにした。途中で登山者1人、釣り人2人と会った。何度も渡渉を繰り返し、木橋を慎重に渡ったので、ビジターセンターに着いたのはバス出発の15分前だった。着替えをし、靴洗い場で靴を洗うと、時間はほとんど無くなってしまった。持ってきたワインと購入しようと思ったアイスクリームはお預けとなり、出発1分前にバスに乗り込んだ。