- 6月も中旬を過ぎれば天生峠まで車で行けると思っていたが、標高600mのところにある国道のゲートは閉まっていた。立て札には「工事中で6/30まで閉鎖」と書かれていた。峠までの標高差700mを2時間で歩けば、明るいうちに車道まで戻って来ることができると考えて登りはじめた。
- 峠までの途中、3箇所で工事をしていた。国道は峠が近づくと勾配が緩くなっていた。天生峠には予想より少し遅れて着いた。広い駐車場には1台の車もなく、遠くからのホトトギスの鳴き声が聞こえてくるだけで静まり返っていた。
- 山道に入り緩やかな勾配を登っていくと天生湿原に着いた。盛りの過ぎたミズバショウが少し咲いていた。ところどころに咲くリュウキンカやタムシバを楽しみながら湿原を半周した。
- 湿原から少し登ると自然観察林に着いた。ブナの美しい森には、一面にサンカヨウとニリンソウが咲いていた。時のたつのも忘れて写真を撮った。
- 自然観察林からの谷筋の登りは、冬の間に折れた枝が登山道のあちこちに落ちていて登りにくかった。おそらく雪解け以来誰も歩いていないのだろうと思った。残雪もところどころに有って、登山道を隠していた。木平湿原の分岐を過ぎたシラビソの森では秋に取り外された標識がそのままになっていた。
- ムシカリやミツバツツジの花を楽しみながら最後の急坂を登ると山頂に着いた。猿ガ馬場山が間近に見えた。東側には乗鞍岳がかすかに見えた。休んでいるうちに雨が降り出したのでレインウェアを着て下り始めた。
- 下りは分岐から木平湿原を経由することにした。雨は降ったりやんだりしていた。木平湿原への途中もサンカヨウとムシカリがたくさん咲いていた。静寂に包まれた木平湿原は、回りの木々が水に映ってきれいだった。
- 天生峠には十分明るいうちに戻ってくることができた。夕焼けを楽しみながら国道を下った。夕焼けも終わると残照を利用しての下りになり、最後は5分間ほど懐中電灯のお世話になって無事車のところに着いた。