- 竹芝桟橋からの船は東京湾を出ると時化のため揺れが激しくなった。御蔵島には接岸できず八丈島へ直行してしまった。キャンセル覚悟で予約していたヘリコプターで御蔵島へ戻った。
- 初日はガイド不要の黒崎高尾展望台に向かった。コンクリート舗装された緩い登り坂の車道を歩いて行った。車道終点近くの「えびね公園入口」から歩道に入った。ツゲの木の切り出しに使うモノレールが途中まで有った。ツバキの花を見ながら進んで行くと展望台に着いた。絶壁の上の展望台は風が強く毛糸の帽子が飛ばされそうになった。南の方には、うっすらと八丈島が見えた。車道を里へ戻る途中、「鳥の尾」と呼ばれる展望地が有った。行きに見た時より、いっそう波が港の桟橋にかかっていた。宿に戻って天気予報をチェックすると、この日の風速は13m/秒との事だった。
- 二日目は美人のガイドさんに縦走コースの案内をお願いした。登山口へ車で向かう途中には「イナサの大ジイ」が有り、車を降りて見学した。根元にはオオミズナギドリが巣にするために掘った穴が有り、穴の入口には縄張りを示す糞が落ちていた。
- 登山口に車を置き長滝山への歩道を登り始めた。階段が付けられていた。周囲はツゲの潅木帯だった。やがて樹高が低くなって海が見えてきた。紅葉しているのがツゲ、緑のままのがイヌツゲとの事だった。風が少し強かった。隣りの三宅島や大島、雲と見まがう白い富士山も見えた。
- 三角点を過ぎ、展望の良い稜線を登り下りして進んで行った。左下に御代ヶ池が見えると、すぐに長滝山山頂に着いた。行く手には、御山が見えた。
- 長滝山からは、いったん急な階段を下って行った。下り途中にはユズリハの木が有った。鞍部付近は、「一の森」と呼ばれる岩場で、岩の右側を通過した。夜の冷え込みのためにツララが下がっていた。
- ツバキの花を見ながら登って行くと、鈴原コースとの分岐に着いた。左の階段の道へ入った。一登りすると御山の山頂部だった。一つ目のピークを過ぎ、やや笹の被さった道を進むと御山山頂に着いた。山頂手前からは展望が得られたが、山頂は背丈くらいの笹に覆われて展望は無かった。笹で風が遮られるので、ここで昼食休憩を取る事にした。
- 昼食休憩後、稜線を先に進んだ。やや笹が被さり気味の笹原で、歩く人が少ないのか道は苔で覆われて柔らかだった。風が強かったのでレインウェアを風よけに着た。笹原が終わるとツゲなどの樹林帯になった。ツバキも咲いていた。
- 登山口へ下る分岐を通り過ぎるとすぐ乙女峠展望台に着いた。通ってきた長滝山から御山にかけての稜線が見えた。展望を楽しんだ後、分岐に戻り登山口に向かった。登山口への途中には小さな沢が数本有った。
- 登山口からは、前日のうちに回送してあったもう一台の車に乗り込んだ。少し時間が余ったので帰る途中に有るボロ沢コースを案内してもらう事にした。ボロ沢への下りではオオミズナギドリの巣がたくさん有った。ボロ沢はナメのきれいな沢だった。風も無くて落ち着ける雰囲気だった。
- 最終日はヘリコプターまでの時間を利用してガイド不要のタンテロイコースを歩いた。シイの巨木が多かった。
- ヘリコプターで三宅島に渡り、時化で御蔵島を通過しきた船に乗り込んだ。船の揺れは東京湾に入ると治まった。富士山の横に沈む夕日がきれいだった。