- 初日は本降りの雨だった。大平墓地公園まで歩き、石造りの立派な休憩所で雨宿りした。
- 平田(へいた)のバス停はスーパーの前に有った。しっかりした待合室が有り雨をしのげた。スーパーを覗くと、広げた手のひらよりも大きい大船渡産のホタテを298円で売っていた。
- 二日目は曇りだった。最初の石塚峠は少し道が荒れていて歩きにくかった。下った本郷ではトレイルを歩く女性4人組と会った。「潮風トレイルですか? この先は分りやすいですか?」と聞かれた。
- 次の唐丹(とうに)では、駅前の小さな売店で明るい女性店主から「今朝、平田で歩いているのを見たので、昼頃来ると思った。結構歩く人いるわよ」と言われた。
- 鍬台(くわだい)峠へは道も良く歩きやすかった。紅葉もきれいだった。峠でゆっくりと休んだ。
- この日の目的地吉浜では年配の女性が畑仕事をしていた。挨拶すると、「どこから来た」と聞かれ、「峠を越えてきた」と伝えると「熊が柿を食べに出て来るので気をつけて」と言われた。
- 三日目は晴れだった。羅生(らせい)峠への登りでは、黄色く塗った約10cmの目印の石が所々に有った。羅生峠は紅葉がきれいだった。この先が越喜来(おきらい)だと手造り標識が示していた。
- 越喜来へ下ると樹齢7000年との記載の有る大王杉が有った。更に海岸近くには明治、昭和、平成と三つの津波に耐えた「どこんじょうポプラ」が有った。越喜来の食堂で腹ごしらえをした。
- 甫嶺(ほれい)から恋し浜に向かう途中で散歩中の老人に「どこから来た」と聞かれた。「吉浜から来て、恋し浜まで行きます」と答えると、「車が多いので気をつけて」と励まされた。
- 恋し浜駅前にはカフェを兼ねたホタテデッキが有った。あいにく休業中で、普段は海を見ながらホタテ焼きを食べるベンチで休憩した。待合室では、ホタテの絵馬がたくさん天井から吊るされていた。
- 最終日も良い天気だった。恋し浜では、荷物を取りに来たホタテデッキの店主から「トレイルの人ですか」と声をかけられた。「ホタテデッキが休みで残念です」と言うと、「コロナで人が来なくて開けていても仕方がないんです」との返事だった。「最近熊が出るので気をつけて」と励まされた。
- 次の白浜では、きれいな砂浜が広がっていた。流木に座り、波音を聞きながらゆっくりと休んだ。
- 綾里駅には赤ちゃんをおぶったお母さんが駅の前で日に当たっていた。列車に乗り込んで窓の外を見ると、ちょうど赤ちゃんがこちらを見ていた。手を振って「バイバイ」をした。
- 今回、みちのく潮風トレイルを歩くハイカーは二日目に会った4人組だけだった。歩いた距離は約47kmだった。これで全行程の約45%、465kmを歩くことができた。