- 猿倉温泉入口でバスを下りたのは一人だけだった。日差しが強く、日焼け止めを塗った。猿倉温泉からは古い林道跡のゆるい登りだった。樹林帯の中で展望はなかった。時々カッコーが鳴いていた。
- 矢櫃萢ではワタスゲが咲いていた。蛙の声が聞こえた。登山道より湿原の方が盛り上がって高くなっていた。
- 乗鞍岳分岐ではミズバショウやヒナザクラが咲いていた。
- 旧道幕営地は登山道沿いに細長く5張り程のテントスペースがあった。テントを張っている間に登山者10人ほどが下っていった。虫がたくさんいて、黒いものに寄ってきた。
- テントに荷物を置き、櫛ヶ峰に向かった。御鼻部山との分岐の左手は広い湿原になっていた。分岐から櫛ヶ峰方面に少しは入ると一面のチングルマの群落があった。水場手前は広い湿原だった。木道が敷かれていた。ヒメシャクナゲが咲いていた。水場の先にミズバショウが咲いていた。
- 山頂直下の笹の尾根を登っていった。右手の湿原には廃道となった昔の道が見えた。山頂には誰もいなかった。十和田湖がうっすら見えた。時間も遅かったので早々に山頂を後にし、往路をテントに戻った。この日のテントは二張りだった。
- 翌朝、明るくなるとすぐに出発した。黄瀬沼までは下りだった。朝露で全身ぬれてしまった。沼の岸辺にはコバイケイソウ、ミツガシワ、ワタスゲが咲いていた。沼からは霧が登っていた。木道は沼尻の手前で終わっていた。湿地にもぐりながら進み、登山靴がすっかりぬれてしまった。登山靴よりも長靴の方が良いと思った。
- 乗鞍岳へはメボソムシクイやクロジの鳴く樹林帯の登りだった。マイヅルソウが咲いていた。乗鞍岳山頂手前の岩場で展望が開けた。回りはハイマツだった。櫛ヶ峰が見えた。十和田湖の湖面は霧でおおわれていた。
- 赤倉岳との鞍部への下りは笹の中の道だった。日差しが暑かった。鞍部には小さな湿原があった。赤倉岳への登りはアオモリトドマツの樹林の中の道だった。植生保護のために閉鎖されている赤沼への道を見送ると、すぐに狭い山頂に着いた。赤沼が下に見えた。
- 赤倉岳からの下りは笹の切り株の多い歩きにくい急坂の下りだった。急坂が終わるとブナやダケカンバが出てきた。1101mの小ピークを越えてからは、ずっとブナ林が続いていた。菅沼には釣り人が一人いた。
- バスを待つ間、蔦温泉で一浴した。床も木で作られた昔ながらの風情のある湯だった。湯上がりに飲んだビールがうまかった。