- 米沢スキー場の駐車場でスキー靴を履いて準備している時に左足のソールが取れかけているのに気がついた。運動靴から外した靴紐を使って縛り付け、ソールがスキー靴から外れないよう応急処置をして出発した。
- リフト2本乗り継いだゲレンデ最上部でシールを付けた。スキーヤー数人に「どこまで行くのか」と聞かれた。
- ゲレンデの上部を横切り左手の尾根から登り始めた。尾根の雪は幸いつながっていた。右寄りがやや雪が多かった。かかとの靴底がずれていないか時々チェックしながら登った。
- 大汗をかきながら981m峰に着いた。山頂方面には雲がかかっていた。981m峰先の鞍部は地形図では左側が崖になっていた。稜線の右側を横切って進んだ。
- 低いブナの森を登り1030mピークに着いた。晴れてきて前方に1202m峰が白く見えた。風がわずかに吹いていた。1030mピークを過ぎたところで左足のスキー靴のかかとが壊れて取れてしまった。包帯を止めるためのテープで固定して応急修理した。粘着力が弱くて今一歩だった。
- 1130m峰に着いたときは霧で視界が閉ざされてしまった。風も強くなってきた。先に進む気力を無くし、少し戻った風の少ない平坦地で幕営することにした。早めの設営だったのでワインやウイスキーを飲みながらくつろいだ。
- 翌朝は晴れだった。テントの壁には霜がびっしり付いていた。火を付けると霜はすぐに溶けた。テントの中に余分なものを置いて軽い荷物にし、スキーアイゼンを付けたスキーを履いて出発した。
- 昨日来た1130m峰までは緩い登りで快適だった。1130m峰から鞍部への下りは硬い雪で苦労した。ブッシュの間をゆっくり下った。1202m峰への登りも硬い雪でしかも次第に急になり苦労した。ジグザグに登って行った。回転するのに苦労した。斜面で靴に斜めの力が加わり、ついに左の靴の先端が破損してしまった。靴をスキーに固定するのが困難になった。あきらめて引き返すことにした。ザックにスキーを固定し、かかとでステップを切りながら下り始めた。雪は少し緩んできたので何とか下ることができた。1130m峰で展望を楽しんでからテントに戻った。
- テントを回収して重たくなったザックを背負って歩き始めた。時々ザックに付けたスキーが木の枝に引っかかり歩きにくかった。981m峰への登り返しは足が潜ってきつかった。981m峰では日帰りの単独行が休んでいた。
- 下るに従い靴の破損はひどくなりインナーブーツが靴の先端からむき出しになってしまった。右足のソールも取れてきたので靴紐で固定した。スキー場のゲレンデに出てからは軽快に滑るスキーヤーを横目に見ながら大きなザックを背負って下った。右足がやけに滑ると思ったら右足のソールは靴紐もろともいつのまにか無くなっていた。
- 幸いインナーブーツは多少防水性があるらしく靴下が少し湿っただけで無事下山する事ができた。