- 呉駅からのバスは、鉄工所や潜水艦基地の横を通り、音戸(おんど)大橋を渡って倉橋島に入った。しばらく走ってトンネルを出た所に火山登山口バス停が有った。
- バスを降りて車道を登り始めた。宇和木(うわき)峠までの道脇には桜があちこちで咲いていた。風がさわやかに吹いていた。やがて地元の男性が下りてきた。「フキを採っていた」との事だった。
- 宇和木峠からは登山道の登りになった。木の階段だった。すぐに三十八番の石仏が有った。石仏は次々と現れ番号は次第に大きくなっていった。快晴だった。鳥のさえずりが聞こえた。やがて樹高が低くなり、花崗岩の大岩が増えてきた。見晴らしが良くなった。
- 火山山頂までの間で登山者二人とすれ違った。火山山頂には花崗岩の大きな岩が有った。岩の上に登って展望を楽しんだ。瀬戸内海の眺めが良かった。休んでいるうちに家族連れなど数人が登って来た。
- 一休み後、奥にある後火山まで行ってみる事にした。途中の鞍部にはあずまやが有り、裏から車道が登って来ていた。鞍部から登っていくと、標高400m地点にもう一つのあずまやが有った。周囲は眺めが良かった。あずまやを過ぎると樹林帯になり展望がなくなった。
- やがて岩の有るピークが有った。樹林に囲まれていた。後火山と思ってGPSを確認すると、本当の山頂はこの先と分かった。いったん下って登り返すと三角点の有る後火山山頂に着いた。樹林に囲まれ展望は無かった。早々に引き上げて標高400m地点のあずまやまで戻って休む事にした。
- あずまやは、窓にシャッターの付いた、しっかりした建物だった。シャッターは解放されていて、心地よい風が吹いていた。持参のコーヒーを飲み景色を楽しみながらゆっくりと休んだ。すぐ下では男性単独行者がガスコンロを使って食事を作っていた。
- 鞍部まで下ってから稜線を離れ、桂浜温泉館へと向かった。斜面を横切る道は一部で崩れていて迂回路ができていた。やがて雑木林の尾根道になった。ところどころにツツジや桜が咲いていた。
- この日は暑く、温泉館前のバス停に着いた時は水も飲み干していた。温泉館入口の自販機で飲み物を購入した。バス停には年配の女性が一人バスを待っていた。「これがおいしいんだよね」と自分の飲み物を見せながら話しかけてきた。見ると私と同じ物だった。「山登りしてきたの?」と聞かれた。「はい」と答え「ここにはプールも有るんですね」と言うと、「プールはコロナウイルスの影響で休んでいるけど温泉の方はやっているので毎日来て楽しんでいる」との事だった。