- 初日、富山からのバスは満席だった。折立の水くみ場には「生水は飲まないよう」張り紙があった。近くの自動販売機の売れ行きは良さそうだった。
- 最初のブナ林が終わると針葉樹林帯になった。メボソムシクイが鳴いていた。三角点まで登ると視界が開けた。曇り空だった。薬師岳や剱岳が見えた。三角点からは石畳の道になった。イワショウブを見ながら登っていくと五光岩ベンチに着いた。左手斜面にはニッコウキスゲが咲いていた。太郎平小屋まで来ると少し冷たい風が吹いていた。薬師峠まで進み幕営した。テントは90張くらいだった。
- 二日目は朝から霧雨が降っていた。太郎平小屋の軒下で小休止し、トイレに寄った。薬師沢へはチングルマの少し咲く木道から、やがてジグザグの急な下りになった。最初の橋のところから木道歩きになった。霧雨が降り続き木道は滑りやすかった。薬師沢小屋前で吊り橋を渡ると雲ノ平への急な登りになった。
- 単調な登りを続け、勾配が緩くなってくると木道に出て、雲ノ平の一角に出た。アラスカ庭園、奥日本庭園と雨に煙る湿原を通り過ぎ雲ノ平山荘に着いた。雨のために混雑する山荘でキャンプの手続きをした後、キャンプ場まで進んで幕営した。テントは60張位だった。
- 夜の間に雨脚が強くなった。三日目の明け方にはテントの下を水が流れるほどになっていた。少し小降りになったときに祖母(ばあ)岳まで行ってみた。チングルマの実が多かった。ウサギギクが少し咲いていた。アルプス庭園になっている祖母岳山頂で休んでいるうちに霧が晴れ雲ノ平山荘が見えた。
- 雲ノ平山荘に立ち寄った後、高天ヶ原方面に少し歩いてみた。アンテナのピークを越えたところが奥スイス庭園だった。霧に煙っていた。雲ノ平山荘前まで戻り、キャンプ場の分岐を通り越してスイス庭園まで行ってみた。霧で下の水晶池がうっすら見えるだけだった。キャンプ場分岐からキャンプ場に戻るときに雷鳥がいた。
- テントで休んでいる間に雨が上がり青空が見えてきたので、もう一度スイス庭園に行ってみた。水晶岳がきれいに見えた。下の方には高天ヶ原山荘が見えた。この日もテントは60張位だった。
- 四日目は快晴だった。スイス庭園前を通り、ハイマツ帯を登って行った。いったん水晶岳側の斜面に出たところではハクサンイチゲとウサギギクが咲いていた。祖父(じい)岳分岐で多くの人の登る祖父岳への道と別れ、三俣山荘方面へ向かった。平らな泥地の前後が日本庭園と思われたが、よく分からなかった。
- 雪田を右手に見ると黒部源流への急勾配の下りになった。コバイケイソウがたくさん咲いていた。黒部源流付近にはハクサンフウロが咲いていた。水流の多い道を登り返すとハイマツ帯の中に三俣山荘が有った。小屋前からは槍ヶ岳がきれいに見えた。トイレを借りて一休み後、双六岳へと向かった。