- 貝沢から車道を歩き出した。リンドウの花畑の向こうに少し雲のかかった高下岳が見えた。民家の住人に「登山ですか。和賀岳?」と声をかけられた。大木原の集落を過ぎると未舗装の道になった。ススキのたくさん生えた牧場跡が有った。登山口手前で沢を渡る所が有り、車が1台有った。登山口で登山届けを記載して登り始めた。
- 最初は右手に牧場跡のススキを見ながらの登りだった。牧場跡が終わると尾根の道になった。やがてブナの森になった。少しにわか雨が降ってきた。標高770m地点には郡界尾根分岐の朽ちた標識があった。雨が少し強くなったのでレインウェアを着た。ブナの森は次第に黄色に色づいていった。前山分岐で雨がやみレインウェアを脱いだ。
- 前山分岐からは緩い登りになった。この日唯一の登山者2人組とすれ違った。沢尻岳手前は草原になっていた。沢尻岳は最高点の少し北側を道が通っていた。北側の展望が良く、霧のかかりかけた羽後朝日岳が見えた。
- 大荒沢岳へはいったん下った後、登り返しだった。紅葉がきれいだった。リンドウが少しあった。大荒沢岳の山頂直下も草原になっていた。大荒沢岳は山頂の南側の少し低いところに山頂標識が有った。山頂への道は無かった。テントは張るにはちょうど良い平地が有った。まだ時間が早かったので予定の根菅岳まで進むことにした。
- 大荒沢岳から先は少し草がかぶり気味だった。潅木の稜線で見晴らしが良かった。紅葉がきれいだった。和賀岳は雲の中だった。先程まで見えていた羽後朝日岳は雲がかってしまった。濡れた草でズボンや靴がずぶぬれになった。いつの間にかストックの先端の滑り止めがなくなっていた。
- 途中に良いテント場が無いか探しながら歩いたが、結局、根菅岳まで良い場所はなかった。根菅岳山頂は少し凸凹は有るが何とかテントが晴れそうだったものの、風が強くてあきらめた。山頂から1-2分戻った登山道上の潅木の間にテントを張った。笹のせいで少しテントの床が浮いて不安定だった。夜は濡れた靴下とズボンを脱いで寝た。
- 二日目、4時45分に起床した。ラーメンの朝食を食べて出発した。快晴だった。根菅岳から先は刈り払いされたばかりで歩きやすかった。根菅岳から10分ほどのところに良いテント場が有った。
- 高下岳までは紅葉がきれいだった。ハイマツの朝露で足が濡れてしまった。高下岳は展望が良かった。思ったより早く着いたので靴を脱いで、靴と靴下を朝日で乾かした。風が少し有った。
- 高下岳の先で高畑登山口への道を左に分けると刈り払いは終わってしまった。せっかく乾かした靴がまた濡れてしまった。標高1200m付近で樹林帯に入ると下草が乾いていて歩きやすくなった。靴下は濡れたままだったが、ようやく足は冷たくなくなって来た。和賀岳との分岐点までブナの黄葉がきれいだった。単独行二人とすれ違った。和賀岳と高下岳の分岐点で一休みしたあと、折り返して和賀岳へ向かった。