- 瀬々野浦行きのバスを終点で降りると、一緒に乗っていた男性が助八古道の入口まで案内すると申し出てくれた。「助八古道歩こうかい」の幹事の方だった。3日前に「歩こうかい」が実施され、昨日は反省会を瀬々野浦で行い、この日は車を取りにバスで戻ってきたとの事だった。道順だけ教わった。海岸の防波堤からナポレオン岩を見学した。
- 教わった道を通って行くと旧学校裏に「助八古道」の標識が有った。古道は最初のうち草が被り気味だった。いったん車道に出るところで道を間違えて歩道を進んでしまったため10分ほどロスした。車道を少し登ると助八古道の登り口が有った。
- 良く整備された道だった。道横には植物の名前が記載されたプレートがたくさん設置されていた。回りは照葉樹林だった。シュロに似た南の島らしい大ヘゴが生えていた。更に登ると赤いツチトリモチが林床に生えていた。キノコに似ていてきれいだった。崖っぷちを歩くところには「ザツウガオチ」(座頭が落ち の意)の標識が有った。
- 助八水を見るとすぐに助八峠に着いた。車道が通っていてトイレが有った。車道脇に座って昼食休憩にした。
- 青瀬への下りではハナミョウガの赤い実が有った。青瀬では朝のバスの男性が自宅前にいた。玄関に「助八古道歩こうかい」のポスターが有った。「今頃ですか」と声をかけられた。「今から滝へ行きます」と伝えると、採り立てのみかんをくれた。
- 車道を観音滝まで歩いた。観音滝は黒い岩の上を水が流れる立派な滝だった。キャンプ場のベンチでゆっくり休んだ。
- バスで竜宮の郷へ移動し展望台に登った。景色を眺めた後、手打浜へ下り、白い砂浜を気持ちよく歩いた。手打港まで歩き、カフェでコーヒーとアイスクリームのセットを食べながら帰りのバスを待った。
- 二日目、ホテル前でバスに乗ると、丸顔で愛想の良さそうな運転手から行き先を聞かれた。「自衛隊前」までと答えると、「尾岳ですね」と確認された。バスから下りる時は停留所の約200m先の登山口で下ろしてくれた。
- 照葉樹の暗い道を登って行った。山頂は右手が開け、更に先へ進むと北に連なる中甑島や上甑島がきれいに見えた。
- 往路を戻り、「自衛隊前」からバスに乗ると、帰りも同じ運転手だった。ホテル前に来た時に「ここで下りますか」と聞かれたので「港まで行きます」と答えた。
- 長浜港で川内からの高速船到着を見ながら一休み後、鹿島港行きのバスに乗った。同じ運転手だった。終点で料金150円を払おうとすると、「続けて乗る時は料金はいらないんです」と料金箱の入口を手でふさぎながら言われた。新聞配達の3人が運転手から新聞の束を受け取っていた。軽自動車で来た小柄な女性が「岬まで送っていきますよ」と申し出てくれた。お断りすると、少し残念そうだった。「弁当なら恐竜ミュージアムの隣で売っていますよ」と教えてくれて走り去った。
- 岬までの車道は、舗装工事中だった。工事脇を進むと鳥ノ巣山展望台に着いた。あずまやで一休みした。すぐ下の灯台から先は草原が広がっていた。夏にはカノコユリが一面に咲くとの事だった。草原の先にはゴツゴツした岩が岬の先端へと連なっていた。目を左に転じると向かいの中甑島との間に大きな橋を建設中だった。休憩後は階段の遊歩道を海岸へ向かった。気持ちよい草地の斜面を下って海岸手前の岩場まで行くと、赤いナデシコがへばりつくように咲いていた。
- 休憩後、往路を鹿島港へ向かった。昼休みで舗装工事は中断していた。プレハブの前で黒っぽい作業服を着た30歳位の男性が、にぎりめしを食べていた。挨拶すると「お昼は食べたかい? 今日は風が無くてよかったね」と声をかけられた。
- 鹿島港でフェリーを待っていると、バスがやってきた。同じ運転手だった。すっかりなじみになった運転手に「これから帰ります」と笑顔で挨拶してフェリーに乗り込んだ。