- 田代入口でバスを下り、林道を歩き出した。林道の終点からは沢沿いの山道になった。桟道が連続していた。出合で沢を離れるとカラマツ林の斜面の登りになった。
- 峠の手前まで登ると水場が有った。1泊分の水をくんだ。峠には古い林道が走っていた。峠の少し北寄りの林道上にテントを張った。木の間から少し雲のかかった富士山が見えた。17時半頃単独行が「横を通ります」と挨拶をしながら通りかかった。いかにも健脚との感じの30歳位の男性で「池の沢を登った」と言っていた。
- 二日目、伝付峠から二軒小屋にいったん下った。二軒小屋からは少し林道を歩き、蝙蝠岳への尾根に登る登山道に入った。尾根に上がってから中部電力管理棟の手前まではシャクナゲや松が多かった。蝶(アサギマダラ)が潅木に止まってじっとしていたので写真を撮った。
- やがて尾根はシラビソの森に変わっていった。曇ってきて小雨が降ってきた。標高2200m付近まで登ると林床はきれいな苔で覆われてきた。
- 雨の中、徳右衛門岳山頂に着いた。テントを張った後、水場に水をくみに行った。標高差60mほど登山道を戻り、更に少し分かりにくい踏み跡を標高差40m下ったところに水場があった。
- シュラフの中で眠っていたら20:20頃になって単独行がやって来た。水場はどこか聞かれたので、「分かりにくいので、朝、明るくなってから行くと良い」と助言した。テント場を探してうろうろしているので、「10m先にに良い場所がある」と教えて上げた。
- 三日目の朝、雨は上がり星が見えていた。暗いうちに出発した。昨晩の単独行は、まだ眠っている様子だった。地形図の2721m地点まで登ると森林限界になった。少し霧のかかった蝙蝠岳が見えた。虫が多かった。
- ちょうど霧が晴れ上がった頃に蝙蝠岳山頂に着いた。残念ながら回りの山々にはまだ雲がかかっていた。結局、山頂からの写真は1枚も撮らなかった。
- 蝙蝠岳と2758m峰との間の鞍部にはダケカンバの林が有り、ハクサンフウロが咲いていた。うっかり2758m峰にカメラとシャツを置き忘れ、取りに戻ったので15分ほどロスした。
- 北俣岳へはガスの中を登った。ミヤマウスユキソウが咲いていた。北俣岳から縦走路分岐点までの間は両側が切れた険しい岩場になっていた。タカネグンナイフウロなどの花がたくさん咲いていた。
- 縦走路分岐点からは塩見岳を往復してから熊の平小屋を目指すことにした。