- 登山口の駐車場にはこれから登る人達が二組いて、相次いで登って行った。最初は樅の木の茂る森をジグザグに登る道だった。時々林道と交差した。やがて霧になった。林道歩きに変わると途中の小屋(Falbesoner Ochsenalm)に着いた。周囲は霧が立ちこめていた。温かい食べ物は14時までとドアに記載されていたので外の小川のそばで休んだ。
- 小屋からは牧草地の登りだった。羊や牛の横を登って行った。時々柵が有った。やがて急坂になり崖の横をジグザグに登る道になった。
- 少し勾配が緩くなって氷河からの流れを渡ると、宿泊する山小屋、ノイエ・レーゲンスブルク・ヒュッテ(Neue Regensburger Hutte)が霧の中に見えてきた。小屋の半分は真新しい木の壁になっていて最近増築された様子だった。受付は賑わっていて、「今日は混んでいる」と言われた。小屋の中には花も飾られていた。我々の4人個室は、増築された側に有り、読書灯の付いたきれいなベッドと荷物置き場が備えられていた。
- 食事はグループ毎に場所が予約されていて、自分の名前「KATAHIRA」が記載された置物がテーブルの上に有った。食堂の調度品は新しくてきれいだった。チロルの民族衣装の黒いスカートをはいた女性スタッフが注文を取っていた。山小屋と言うより、リゾートホテルのような感じがした。ビール500ml(4ユーロ 約480円)を注文すると、受付時に配られたカードを読み取り機にかざし、注文データをホストコンピュータに転送していた。夕食後、受付にカードを出して、1泊2食の宿泊費と注文データに従った料金を支払った。2食付きの宿泊費は51ユーロ(約6100円)だった。
- 翌日は良い天気だった。U字谷の斜面を登って行った。U字谷の底の登山道には峠へと登って行く人達が小さく見えた。いったん小さなカールへ下ってガレ場を登り返すと、山頂への岩場の登り口に着いた。岩に赤い丸印が付けられていた。岩場を登り始めると、すぐにワイヤーが取り付けられた急坂になった。3点確保しながら登った。所々にイワギキョウが咲いていた。
- 山頂では途中で我々を追い抜いていった4人組が休んでいた。十字架が有った。十字架の近くに腰を下ろして周囲の山々の展望を楽しんだ。山頂は双耳峰になっていて50mほど先には少し高いジャンダルムのような北峰(3101m)がそびえていた。試しに途中まで行ってみたが、難しくて引き返した。
- 帰りは往路を戻った。岩場は高度感が有り慎重に下った。ノイエ・レーゲンスブルク・ヒュッテからの下りでは雨が降ってきた。雨足がひどくなったので途中の小屋(Falbesoner Ochsenalm)で雨宿りしながらホットミルク(1.5ユーロ 約180円)を飲んだ。飲み終わって出発する頃には小降りになっていた。