- 蒜場山から烏帽子山を経由しての縦走もいよいよ終盤、4日目の後半に入った。梅花皮岳からの夏道を下り終わると人の気配の無い梅花皮小屋に着いた。石転び雪渓側は稜線まで雪が付いていて、足跡が雪渓を下っていた。元々は雪渓を下るつもりだったが、予定より早く歩いていたので、より安全な西俣ノ峰経由で下山することにした。
- 北股岳への登りは最初の1/3位を過ぎると雪面になった。やや急な斜面を登ると北股岳山頂に着いた。反対側から7人組が登ってきた。西俣ノ峰経由で昨日は頼母木小屋に泊まったとの事だった。「西俣ノ峰のコースにはヤブは無かった」との事で一安心した。「石転び雪渓は落石が多そうですよ」と伝えると「石より早く歩かなくっちゃね」と笑いながら下って行った。
- 北股岳からの下りは速かった。新雪でクレバスが隠れているので注意深く歩いた。ところどころ夏道が出ていた。門内岳のテント場は深い雪の中だった。この付近は雪庇が発達していた。快晴で少し暑かった。地神山で携帯で天気予報を確認した。頼母木山までは夏道が少し出ていた。
- 頼母木山ではそよ風が吹いていた。ウグイスが鳴いていた。頼母木山からは主稜線を離れ、西俣ノ峰へ向かった。少し雪面を歩いた後、刈られたハイマツや笹の中をしばらく歩いた。やがて本格的な下りになると広い雪面が続いていた。快適だった。足跡がたくさん有った。
- 枯松峰の手前、標高1170m付近までは、ほぼ雪面を歩くことができた。地面の出ているところにはしっかりした登山道が有った。枯松峰への登りは地面が出ていて、イワウチワやカタクリがたくさん咲いていた。枯松峰を越えてすぐの所にテントの跡が有った。平坦にならされた跡を利用してテントを張った。
- 最終日も天気は良かった。朝のテントの室温は7℃だった。食料を使い果たして軽くなったザックを担いで出発した。
- 西俣ノ峰までは雪道と夏道が半々だった。イワウチワやカタクリがたくさん咲いていた。
- 西俣ノ峰からの下りは標高800m付近まで雪が有った。新緑の中にタムシバやアカヤシオ、ヤブツバキが咲いていた。「大曲り」を過ぎると岩場が2箇所有り、3点確保で下った。登山口に下山するまでに日帰りの人、合計8人とすれ違った。登山口からバス停までの林道脇にはカタクリがたくさん咲いていた。
- 温泉で一浴してからバスに乗り込んだ。車窓の新緑がきれいだった。