- 飯豊山荘の隣の天狗平ロッジでテントの受付をした。石転び雪渓は初めてだと言うと、雪渓の様子を説明してくれた。今年は雨が少なく雪が多く残っているとの事だった。テントは他に1張りだった。
- 翌朝、薄暗いうちに歩き出した。石転び雪渓まで2kmの表示のある彦衛門平から少し歩くと雪渓に出た。思いの外硬い雪なのでアイゼン(12本歯)を付けた。すぐに夏道に戻りアイゼンを外した。
- 梶川出合で再び雪渓に出た。クレバスが大きくあいていた。アイゼンを履き、対岸を経由して幅80cmほどの小さいクレバスをまたいで通過した。すぐに黄色い旗のところから夏道に戻った。アイゼンを外した。
- 次に雪渓に出たところが石転び沢の出合だった。雪渓は二俣になっていて左手の石転び沢に入って行った。石転び沢に入ってしばらくは夏道でオオサクラソウやサンカヨウ、キクザキイチゲが咲いていた。再び雪渓に出たところでアイゼンを付けた。後はずっと雪渓の登りだった。雪は硬く氷河の上を歩く感じだった。ピッケルを試しに刺そうとしたが、硬くてほとんど刺さらなかった。遥か上に先行者が点になって見えた。下にも登ってくる人が点になって見えた。横の岩場にはニッコウキスゲが咲いていた。風が涼しく静寂に包まれていた。
- ほん石転び沢出合では左岸から水が流れていて水場になっていた。流れの上から岸に上がってみた。今まで登ってきた雪渓の横が大きな空洞になっていたのでびっくりした。更に登っていくと上から軽アイゼンの人が二人下りてきた。足元がおぼつかなく、登りとほとんど同じスピードで苦労している様子だった。この付近は最も傾斜がきつく30度位あった。北股沢出合には水場が有った。北股沢出合から上では旗が左岸に付いていた。旗に沿って左岸近くの雪渓を登って行った。
- 草付きでようやく雪渓が終わった。アイゼンを外して休んでいたら、ペットボトルのキャップを雪渓の上に誤って転がしてしまった。15mほど下って回収したが、アイゼンなしの雪渓は若干緊張した。草付きはお花畑になっていた。お花畑の上の斜面は雪があると事故の多い箇所だが、幸い雪は全て融けていた。
- 登り詰めると梅花皮(かいらぎ)小屋に着いた。いつの間にかガスが出てきていた。水場で水を補給し北股岳に向かった。マツムシソウやニッコウキスゲが咲いていた。北股岳はガスで展望が無かった。携帯が通じたのでメールを出した。ガスの中を門内小屋まで向かった。稜線はニッコウキスゲが多く咲いていた。前年より花が多めだった。すれ違いが多かった。
- 門内小屋で幕営した。テントは10張りだった。翌日は杁差岳へ向かった。