- 初日は「道の駅みとみ」近くの新地平でバスを下車し、沢沿いに登った。未舗装の林道歩きで汗をかいた。エゾハルゼミが鳴いていた。道脇の湿地帯にはクリンソウがきれいに咲いていた。林道は次第に荒れてきて、崩れたり、徒渉を繰り返したりした。最初の方の徒渉が水量も多くて難しかった。
- 登山道になってしばらく進むと単独行者とすれ違った。「静かで良いですね」と言われた。ピンクのテープに従って登り、最後に緩い登りになると雁(がん)峠の笹原に出た。霧が出ていて展望は今一歩だった。稜線を一登りし、防火帯脇の道を下ると笠取小屋に着いた。
- テントは他に一張りだった。小屋横には水道局の車が2台停まっていた。管理人さんは水道局の視察が戻るのを待っているところだった。やがて視察の一行が戻って下山して行くと、管理人さんも軽トラックで下山して行った。小屋の周りは静まりかえり、夜には濃い霧で覆われてしまった。
- 翌朝、荷物を置いて笠取山を一周する事にした。ホトトギスとウグイスが鳴いていた。防火帯の急坂の登りだった。少し風が有り手が冷たくなった。笠取山山頂からは良い天気で富士山まで見えた。山頂先の岩場が笠取山の最高点だった。最高点から水干(みずひ)までの下りで鹿を2頭見た。水干自体には水は流れておらず水場は少し下だった。水干の先にベンチが有った。
- 小屋に戻り、出発準備中の単独行者に挨拶してからテントを撤収した。稜線を西に向った。途中の雁峠からは笠取山が大きく見えた。燕山からは樹林帯に入った。ルリビタキが鳴いていた。爽やかな風が吹いていた。Tシャツ1枚になって歩いた。
- 古礼山へは立ち枯れの木の多い笹原の登りだった。古礼山山頂直下のベンチで休んだ。水晶山への途中で日帰り単独行の若者とすれ違った。水晶山はシラビソの森に囲まれていた。ルリビタキが鳴いていた。水晶山からの下りでは苔の森から気持ち良い笹原に変わって行った。
- 展望を楽しみながら歩くと雁坂峠に着いた。単独行が入れ違いに甲武信ヶ岳方面へ出発していった。ベンチで休んでいると秩父側から別の単独行が登って来た。「今日は歩荷の練習なんだ」と言いながら重い荷物を下ろしていた。休憩後、単独行者は秩父側へ、私は山梨県側へと分れた。
- 雁坂峠からはジグザグに森を下っていった。歩きやすかった。井戸ノ沢からは沢沿いになった。滝をロープで渡るところではザックにストックを付けて注意して渡った。舗装の林道では鹿がいた。
- 最後に少し登山道を通ると「道の駅みとみ」へ出た。帰りのバスまで1時間以上有った。着替えを済ませた後、レストランでコーヒーを飲みながら今回の山行を振り返ってゆっくりと休んだ。