- 新冠ダムのゲートに車を置き、林道を歩き出した。途中で小雨が30分程降った。ところどころに鹿の白骨死体が有った。エゾハルゼミが鳴いていた。サツナイ沢沿い作業道に入り、徒渉点手前で幕営した。
- 二日目は曇りだった。最初の徒渉点は20mほど下流の流木の詰まった所を渡った。次の二つの徒渉点は石伝いに渡った。本流を離れるところが登山口で「イドンナップ岳」の標識が有った。沢沿いの荒れた作業道を登ると沢に下りる箇所に出た。沢を歩いて良いものか分からず道を捜して少し時間をとられてしまった。結局、いったん沢を標高差70mほど登り、標高約600m地点から尾根に取付く山道に入れば良かった。山道を少し登ると作業道に出た。オオサクラソウが咲いていた。売山コルの先で作業道は終わり山道になった。
- ムラサキヤシオ咲く尾根を登って行った。岩場が二箇所ほど有り、ロープが取り付けられていた。二箇所目の岩場には少し雪が残っていた。二箇所目の岩場付近にはサクラソウの仲間が咲いていた。
- 1404m標高点を右側から巻いた地点付近から雪面の登りになった。適当に登って行くと標高1420m付近で笹薮に行く手をさえぎられた。1分程薮漕ぎして再び雪面に出た。
- 新冠富士への最後の登りになると、ところどころで夏道が出て来た。ハイマツが現れてくると新冠富士山頂に着いた。山頂は風が強かったので一段下がった雪庇の上にテントを張った。
- テントに余分な荷物を置いてイドンナップ岳山頂に向かった。道ははっきりしていたがハイマツをかき分けるところが多かった。ところどころキバナシャクナゲが咲いていた。山頂標識は倒れていた。
- 山頂からの帰り、テントまで20分位の所で雪の上に熊の足跡を見た。行きには無かったので山頂往復中に熊が来たらしかった。熊との遭遇を心配して大声を出しながらテントに戻った。小雨が降りだした。
- 最終日は雨だった。朝、起きたとき、ダニが腹に着いていたのに気が着き、あわてて取った。夜間の雨で雪解けが進み、テントの回りは5cmくらい低くなっていた。テントを張ったところが台地状になっていた。
- 雨でずぶぬれになったテントを担いで下山し始めた。昨日の足跡は消えかけていた。標高1420m付近では昨日より左側を通って、うまく笹藪を避けられた。雪が無くなってから、滑りやすい登山道に2回ほど転んでしまった。岩場ではロープを頼りに注意深く下った。徒渉点の水位は前日とほとんど同じだった。雨の林道をゲートまで残り30分まで歩いたときに、釣り師の車が停まってくれて乗せてくれた。少し助かった。
- 結局、山中では登山者には会わなかった。新冠の温泉で汚れを落としてから帰った。