- 朽木村役場前から乗った村営バスは定員9人のワゴン車だった。客は3人だけだった。バスは途中にある山のため、大回りして、いったん大津市、更には京都市に入ってから再び朽木村に戻った。バスを下りるときに帰りのバスを聞かれた。「最終便」と答えると、「担当の運転手に伝えておく」と言われた。バスの待合室で支度をして出発した。
- 少し雨が降っていた。集落をうろうろしたが積雪が10cmくらいあり、登山道が分からなかった。民家の軒先にいた男性に登山道を教えてもらった。
- 登山道にはトレースが無く、すぐに道が分からなくなってしまった。地図を見ながら何とか林道の通っている小入谷越に着いた。ここまで深いところで積雪20cmくらいだった。ワカンを持って来た方が良かったかも知れないと思った。
- 小入谷越からは尾根伝いなのでルートははっきりしていた。幸い積雪は10cmくらいになり歩きやすくなった。ところどころ長靴の足跡が有った。登山道をしばしばそれるので山仕事か猟師のものと思われた。
- アップダウンを繰り返しながら登り、標高約700mのピークに着いた。コンクリート製の「縣営林」と書かれた古い標識があった。積雪は15cmくらいだった。
- 雪は次第に深くなった。シチクレ峠付近で20cmの積雪だった。体力を消耗する登りだった。時間切れで登れないかも知れないと思った。
- 根来坂峠への分岐には、予定の15分遅れで着いた。このペースなら何とか山頂まで行けそうだと思った。
- 分岐からは少し雪庇のようになった尾根を進んだ。最後は傾斜が30度も有りそうな急坂になった。ロープを張ってあるところもあった。霧に霞むブナが幻想的だった。
- 足跡一つ無い山頂に予定より20分遅れで着いた。積雪は20cmくらいだった。霧雨はいつしか雪に変わっていた。展望は無かった。木は、あまり密集しておらず、晴れていれば展望が良さそうな感じがした。
- 帰りは安全を考えて元の道を下ることにした。登り返しが何度か有りきつかった。
- 暗くなる少し前にバス停に着いた。最終バスの乗客は一人だけだった。