- 富士宮からのバスは32人の乗客で満席だった。これから富士山に登る人たちの高揚した気分がこちらまで伝わってきた。
- 富士宮口の新五合目は霧に覆われていた。登山道の入口で記念撮影をしている人たちを尻目に出発した。歩きにくい小石だらけの登山道脇にはフジイタドリが咲いていた。
- 六合目の雲海荘に着いたときには霧が晴れてきた。山頂へ登る道と分かれ宝永火口へ向かった。急に人が減った。
- 火口の縁から少し下っていくと宝永第1火口の底に着いた。一休みした。ホタルブクロが咲いていた。上を望むと荒々しくけずられた火口の縁が見えた。
- 宝永第1火口からは小石の敷きつめられた道を宝永山へと登った。一歩踏み出すごとにずるずる滑り、歩きにくかった。山頂からの下山に使う人も多いらしく次々と登山者が下りてきた。次第に霧が出てきた。
- 馬の背の手前で、蝶がひらひらと山頂方面へ舞い上がって行くのに気が付いた。アサギマダラだった。20-30秒に1匹くらいの割合で飛んでいた。
- 馬の背からは平らな道を宝永山の山頂へ向かった。宝永山からは時々霧が晴れて山頂方面の稜線が見えた。
- 馬の背に戻り、御殿場口へ下山し始めた。大砂走りは小石が靴の中に入ることを除けば、雪道の下りと一緒で大またに下れて快適だった。15分に1回くらい靴を脱いで小石を取った。疲れ切った表情の山頂からの下山者がいた。「御殿場口は長いので、もうこりごりだ」などと話していた。二合八勺から下ではフジアザミが咲いていた。脇の登山道を登って行く人が時々いた。
- 御殿場口に着いた頃は霧はますます濃くなっていた。バスの乗客は20人くらいだった。