- 水上からのバスの運転手は、出発前に「最近、熊が多いので注意するように」と言いながら、撮ったばかりの熊の動画を見せてくれた。
- バスを降り、熊鈴を鳴らしながら車道を登って行った。曇り空で気温は歩くのにちょうど良かった。青木沢集落からはショートカットの山道を通った。ミズナラの森を登り、車道に戻ると、すぐ宝台樹キャンプ場に着いた。
- 車道を武尊神社の登山口まで登ると、駐車場が有った。25台ほどの車でほぼ満車になっていた。平日なのに人気の山だと思った。ゲートをくぐって未舗装の林道に入り、ゆっくりと登って行った。道脇に少し古くなった熊の糞が落ちていた。
- 林道駐車場には車が1台駐車してあった。林道駐車場からは林道跡の荒れた道になった。道は水で掘られていた。下山してきた登山者7人とすれ違った。剣ヶ峰山との分岐で林道跡を離れ山道に入った。小沢沿いの道で沢を3回渡った。次第に紅葉がきれいになってきた。晴れてきて日が差してきた。ブナも出てきた。登山者一人とすれ違った。
- 稜線の登山道に出ると手小屋沢避難小屋への降り口に着いた。下にはかまぼこ形の避難小屋が見えていた。ちょうど下ってきた単独行者に「今からですか? どちらからですか?」と聞かれたので「東京からです。今日はここに泊まります」と下に見える避難小屋を指さしながら答えると、「ここだと『GO TOトラベル』は使えませんね~」と少し驚いた様子で言われた。
- 小屋の前でテントを張った。水場の水はちょろちょろと出ていた。夜は風も無く、時折、遠くからの鹿の鳴き声が聞こえるだけで静かだった。
- 夜明け前には半月が出ていたが、明るくなったときは曇り空だった。テントを撤収して出発した。
- 黄葉の森からシラビソの森へと変わっていった。山の上の方には霧がかかっていた。次第に急になると鎖場に着いた。ストックをザックにつけて登った。鎖場が3カ所、急なロープの岩場が数カ所会った。
- 急登が終わると2080m峰に着いた。武尊山山頂が霧の中に見えた。休んでいるうちに霧が晴れ山頂が見えてきた。出発間際に早くも最初の登山者が登ってきた。
- 山頂へ続く稜線は紅葉がきれいだった。一登りで山頂に着いた。山頂からの展望も良かった。日も差して暖かくなった。メンバーが持ってきてくれたコーヒーを飲みながらゆっくりと休んだ。入れ替わり単独行者が次々と登ってきた。
- 山頂からは紅葉のきれいな尾根を剣ヶ峰山へと向かった。カエデの灌木の紅葉がちょうど見頃だった。途中で風が冷たくなり武尊山山頂に少しだけ霧がかかった。鞍部手前は少し風が強かった。鞍部からは急坂の上り下りが続いた。時々日が差した。少し汗をかいた。
- 剣ヶ峰山山頂は狭くて縦に長かった。シャクナゲの木が少し有った。剣ヶ峰山からの下りは木の階段が多かった。スキー場の上に出たところにベンチが会ったので一休みした。上の方は霧かかかってきていた。
- ベンチから先では針葉樹が増えてきた。山道はスキー場の横に作られていた。尾根が広くなるとジグザグの下りになった。雲行きが次第に怪しくなってきた。高手山が近づくと上り下りが多くなった。途中にはミズナラの森があった。高手山は樹林の中だった。
- 高手山からは緩い下り坂になった。やがてキャンプ場の跡地を通過した。道は舗装路になり、広い駐車場のある登山口に出た。この日は剣ヶ峰山までの間で10人ほどの登山者と会ったが、剣ヶ峰山を過ぎると誰にも会わなかった。
- 登山口には、お願いしてあった宿の迎えが来ていた。運転手から「熊には会いませんでしたか」と聞かれた。
- 川場村にある宿に着き、フロントで手続きをした。「武尊山は川場村ですか?」と尋ねると「武尊は川場のシンボルです」との返事だった。