- 奥多摩駅からのバスは2台に増発されていた。1台に50人以上乗り込み「お祭」まで立ちっぱなしだった。「お祭」でバスを下りて後山林道を歩き始めた。藤の花がきれいだった。林道ゲートでは20台位駐車してあった。
- 塩沢橋までの間で林道の補修工事があり、大きな機材の脇を通って登った。塩沢橋では釣りをしている人が3人ほどいた。塩沢橋付近から上ではヤマツツジがところどころで咲いていた。暑いので途中からシャツ1枚になった。
- 林道終点からは、沢沿いのよく整備された山道になった。木には名前を書いた札が付けられ、カツラ、ツガ、ミズメなどと記載されていた。新緑がきれいだった。
- 沢が急になる所に三条の湯が有った。テント場は登山道を少し戻った谷間に有った。テント前でワインを飲みながらくつろいでいると、上を登山者が手を振って挨拶しながら通って行った。この日のテントは4張りだった。
- 翌日、予報では「雨で明け方まで曇り」との事だった。曇り空の中、予定より早く出発した。鳥の鳴き声の多い広葉樹の森だった。標高1300mを過ぎると新緑がきれいになった。林床は笹が多くなってきた。ホトトギスやツツドリが鳴いていた。雨が降り出し、カンバ谷での休憩時にレインウェアを着た。カンバ谷の水は伏流になっていた。
- 標高1500m付近で振り返ると雲取山方面の稜線が見えた。次第に雨に煙って見えなくなってしまった。北天のタルが近付くと針葉樹が出てきた。北天のタルでは霧が出てきた。風が少しあった。手が冷たくなりウールの手袋をした。
- 桟道の多い道を進むと右へ山頂へ登る踏み跡が有った。やや急な踏み跡を登っていくと三角点のある山頂に着いた。霧で視界は得られなかった。三角点より先の方が最高点なので休まず進んでみた。樹林の中で落ち着かない雰囲気だった。雨が冷たいので、すぐに出発した。
- シャクナゲの木の多い道を下っていくと飛竜権現に着いた。20cmくらいの祠が有った。震えながら休んでいると単独行が下りて来た。「このまま下山ですか」と聞いたところ「ハゲ岩に行ってみる」との事だった。元気な人だと思った。
- 前飛竜まで行くとシャクナゲの花が少し咲いていた。藪の中に少し入って花の写真を撮っている間に先ほどの単独行が抜いていった。周辺ではイワウチワも少し咲いていた。
- 前飛竜から下り始めるとすぐにシャクナゲは無くなった。林床は笹だった。やがて笹はなくなり落ち葉だけの林床になった。熊倉山が近付くと新緑がきれいだった。熊倉山からサオラ峠の間は新緑がとてもきれいで何枚も写真を撮った。ミツバツツジも多く咲いていた。サオラ峠からの下りではヤマツツジが多かった。最後は杉植林になった。
- 丹波からのバスの乗客は少なかった。「お祭」のバス停で3人の登山者を乗せた後は、奥多摩駅まで誰も乗ってこなかった。すっかり濡れた服は容易に乾かなかった。奥多摩駅からの冷房のきいた電車に震えながら乗り、新宿でたまらす熱燗で祝杯をあげた。