- 前日、一面雪でおおわれたキャンプ場にテントを張って宿泊した。スリーシーズンの寝袋では夜は寒く、足をリュックにつっこんで寒さに耐えた。寒いので3:30には起床してしまった。
- テントに余分な荷物を置いて月明かりの中、道路の氷っている箇所に注意しながら登山口へ向かった。登山口からは樹林の中を登った。あまり登られていないようで雪の上には一人分の足跡が有るだけだった。槍ヶ峰からは左はブナ林、右は雪庇になった。
- 分岐から上蒜山を往復し、中蒜山へ向かった。急な下りで、風も強く、二度ほどうずくまって風のおさまるのを待った。
- 下って行くと尾根を1つ間違えていることに気付いた。あわてて30m程登り直した。尾根を登り切らずに途中で近道して急な斜面をトラバースした。下に木がある安全地帯に着いて少しほっとして、次をどうしようかと考えているときに足がすべり3mほど落下した。木にちょうど腰かけるような感じでぶつかって止まった。傷もなく、雪が服に付きスパッツのゴムがはずれた程度ですんだ。慎重にその場を脱出した。以後少しでも急な下り坂はとても緊張して歩いた。
- 一番低くなったあたりでガイドブックを見て今後急な下りが有るか調べた。下蒜山からの下りが急と書いて有り暗い気持ちになった。
- 中蒜山への登りでは、ところどころ表面が薄く氷っていた。緊張しながらキックステップで登った。最低でも足の面積の半分はステップを作ろうと思い、二度三度と蹴り込んだため、最後は足がつりそうになった。とてもこの坂を戻って帰る気はしなかった。
- 中蒜山の避難小屋のノートを読むと、ほとんどの人が塩釜から登ってきている事が分かった。今までの緊張感から来る疲れもあり、予定を変更して塩釜へ下る事にした。
- 塩釜へは最初だけ少し急な下りだった。幸いにも雪はそれほど硬くなかった。尻セードをした跡が有った。五合目からは沢を渡る箇所が2箇所有った。
- 塩釜からは予定より早い3時頃のバスに乗るためタクシーを呼んだ。ほっとしたせいもあり運転手と話し込んだ。キャンプ場に着いた頃はすっかり暖かくなっていて、テントの中は暑いくらいだった。
- 今回はストックだけしか持って行かなかった。この山行ですっかり懲りて、帰ってからピッケルを購入した。