- 大水上山からの縦走も三日目。天気は下り坂との予報のため早めに藤原山山頂直下のテント場を出発した。すぐに単独行とすれ違った。
- にせ藤原山は山頂直下の雪面で休んだ。ウグイスが鳴いていた。一休み後、登った山頂には標識が有った。にせ藤原山からはヤブが続いた。ハイマツや桧、松、笹などのヤブだった。ストックはザックにくくりつけた。
- 1740m峰付近では霧が出てきた。滝ヶ倉山付近まで登ると霧が晴れ暑くなってきた。1790m峰に近づくまで根曲り竹などのヤブだった。雪面に出るまで苦しかった。1790m峰では針葉樹が増えてきた。
- 剱ヶ倉山へは右を巻いてヤブを避けて登った。最後に稜線に出るところが急だった。剱ヶ倉山からの下りは岩場だった。歩く人が少ないせいか岩角は尖っていた。岩場が終わると蟻の戸渡りのような雪稜を慎重に通過するところが有った。2072m峰付近からようやく歩きやすくなった。
- 平ヶ岳へはなだらかな雪面の登りだった。小雨が降ってきたのでレインウェアを着た。霧が出てきて風も強くなってきた。平ヶ岳まで来ると足跡が多くなった。平ヶ岳山頂は霧だった。時々晴れて周囲の山々が見えた。
- 平ヶ岳からの下りはたくさんの足跡が有った。雨は上がった。白沢山の登りはきつかった。白沢山の先の最低鞍部付近は針葉樹林帯だった。燧ヶ岳が見えるところにテントを張った。晴れてきたのでレインウェアを木にかけて乾かした。
- 夜間に雨が降り、明け方近くでは雪も混ざったが、起きたときはやんでいた。テントが凍り付き、しまうのに時間がかかった。手や足先が冷たくなった。アイゼンを付けて歩き始めた。曇り空で薄日が差していた。
- 1920m峰で休んだときにアイゼンでカメラを踏んづけてしまいボディを少しへこませてしまった。幸い動作には支障なかった。ススヶ峰へはアイゼンを効かせて軽快に登った。上の方に先行の二人組が登っていくのが見えた。
- ススヶ峰ではそよ風が吹いていた。ススヶ峰からの下りで左足のアイゼンが壊れてしまった。前後をつなくネジが外れ金具も無くなっていた。右足のアイゼンだけを付けて歩いた。まだ、少し滑った。
- 1818m峰を過ぎると雪が緩んできて片足アイゼンも効かなくなってきた。ブナ林になり木の間から前方に至仏山が見えた。暑くなってきてフリースを脱いだ。1668m峰でアイゼンを外した。
- 至仏山が近づくに従い青空が広がってきた。至仏山北稜線の1720m地点から尾瀬ヶ原に向かって下り始めた。今まで続いていた足跡はそのまま至仏山に向かっていた。針葉樹林の間から尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が見えた。尾瀬ヶ原に出てから至仏山を見上げるとスキーをしている人が何人も見えた。
- 山ノ鼻では快晴になった。テントが8張り有った。登山者が20人くらいいた。鳩待峠への登りではすれ違いが多かった。木道はほとんど雪の下だった。標高がなかなかかせげず山行の疲れも出て時間がかかった。鳩待峠では至仏山方面から次々と登山者が下りて来ていた。