- 笹谷峠の駐車場は、まだ余裕があった。今回の一行は7人だった。出発の準備をしている間に次々車が到着した。さすが人気のある登山口だと思った。いつもは風の強いことの多い笹谷峠も、この日は珍しく風がなく穏やかだった。快晴で朝日連峰がくっきりと見えた。
- 山工高小屋に寄ってから登り始めた。木の葉は落ちて晩秋のたたずまいだった。秋の日差しがまぶしかった。時々、黄葉している木が有り、写真を撮りながら登った。
- 雁戸山手前の鞍部まで登ると蔵王の熊野岳が見えてきた。この付近には紅葉している灌木が有った。少し風が出てきた。雁戸山への最後の登りは急でガレ場にはロープが張られていた。
- 雁戸山山頂は我々が登ると20人ほどになった。空気は澄み、遠く鳥海山の裾野も見えた。まだ、時間が早いので南雁戸まで行ってみることにした。
- いったん鞍部に下り、岩の多い場所を登ると南雁戸に着いた。こちらの山頂は訪れる人も少なく登山者数人だった。日なたで風の当たらないところで、昼食を食べてくつろいだ。
- 南雁戸からの帰り、振り返ると東側斜面は南雁戸の影でダケカンバの幹だけが白く目立っていた。一行のうちの竹田さんが「銀色に、枯れ枝光る、雁戸山」と即興の句を読み、みんなの喝采を受けた。
- 快晴だった空も、いつしかうっすらと雲がかかり、飛行機雲がやたら目立つようになった。笹谷峠の向かいのハマグリ山にも少し霧がかかって来た。どうやら明日は天気がくずれそうな雲行きの中、笹谷峠を後にした。