- 前日は白銀荘のテント場で宿泊した。当日はテントに余分な荷物を置き、バスに乗って十勝岳温泉まで行った。十勝岳温泉の駐車場は車があふれ路肩にも駐車してあった。
- 最初は林道の登りだった。晴れて暑かった。マルバシモツケが咲き、行く手には三段山が見えた。
- 安政火口から落ちる谷を渡り、少し斜面を進むと上ホロカメットクとの分岐に着いた。ナナカマドの花が咲いていた。再び斜面を横切る道を進んだ。行く手の富良野岳には霧がかかっていた。下に雪の残る谷を渡った所で一休みした。付近にはチングルマがたくさん咲いていた。
- チシマノキンバイ、エゾコザクラなどの高山植物を楽しみながら斜面を横切る道を歩いた。標高はあまり上がらなかった。次々と下山者とすれ違った。やがて霧の中に入っていった。
- トカチフウロの咲く崩れた階段の道を登ると稜線の分岐点に着いた。10人ほどが休んでいた。霧に覆われ、冷たい風が吹いていた。防寒にレインウェアを着た。
- 稜線の登り始めには砂礫地が有り、コマクサが咲いていた。砂礫地が終わるとお花畑になりチングルマやハクサンイチゲ、ウサギギクがたくさん咲いていた。しばらく登って行くと次第に霧が晴れ、振り返ると稜線が見えてきた。途中でエゾルリソウの花を楽しんでいると、下山して来た人が「山頂手前にはアズマギクも咲いているよ」と教えてくれた。
- 山頂に着くと幸いにも霧が晴れた。登山者は数人いるだけだった。十勝平野側からの風が強かったので岩の富良野側で休んだ。周辺の山々を見ていると、やがて十勝岳にかかっていた霧も取れて尖った山頂が見えてきた。足下には出発点の十勝岳温泉が見えた。一方、十勝平野側は一面の雲だった。昼食を食べてゆっくりした。地図に目を落とし、次に顔を上げると周囲はあっと言う間に真っ白になっていた。じっとしていると寒いので往路を下山することにした。
- 稜線を離れる所からは風が和らぐのでレインウェアを脱いだ。登りの時よりも人は少なくなっていた。斜面を横切る道を進み雪の有る谷を過ぎたあたりまで来ると、にわか雨が降ってきた。十勝岳温泉まで休まずに下った。幸い雨は本降りにならず無事下山した。一緒になった女性4人組と最後に顔を見合わせ「お疲れ様でした」と言い合った。
- 予約のタクシーに早めに来てもらい白銀荘へ移動した。テントを撤収した後、ソフトクリームを食べてバスを待った。上富良野駅からはJRで一駅乗った美馬牛(びばうし)まで行き、ゲストハウスにチェックインして缶酎ハイで祝杯を上げた。