- まだ歩いていない船窪小屋~烏帽子岳間を歩くため、まず船窪小屋に向かうことにした。七倉登山口で登山届を出した。係の人がいて、「すぐ前に出発した13人組ツアーも同じコースだ」と言われた。
- 最初はブナ林の中のジグザグの登りだった。標高差140mごとに十分のいくつかを示す標識が有った。標識1/10に着いたところでストックを出した。
- 坂を登りつめたあたりに送電線巡視路への分岐が有った。日が差し、鳥のさえずりが少し聞こえた。少し進むと「唐沢ノゾキ」に着いた。霧が出てきたので唐沢岳は見えなかった。「唐沢ノゾキ」からの登りで、この日唯一の下り登山者一人とすれ違った。標高1690mまでは急坂で梯子が多かった。標高1690mのすぐ先に岩小舎が有った。
- 5/10の標識を過ぎて平らになった所が標高1818m地点だった。更に登って行くと「七蔵の森」との標識の有る平坦地に着いた。木の間をさわやかな風が吹きぬけていた。
- 鼻突八丁の急坂になった。梯子が連続した。急坂が終わり8/10の標識を過ぎると森林限界になった。周囲の木々は少し紅葉していた。「天狗ノ庭」で視界が開け、下のダム湖が見えた。霧雨が降ってきたのでザックカバーを付けた。船窪小屋手前は紅葉がきれいだった。
- レインウェアを着ないで歩き通したものの、服は少し湿ってしまった。小屋のいろりで服を乾かした。小屋の宿泊は23人だった。
- 夕食後、いろりの前で休んでいると。女性3人、男性1人のグループがやってきた。女性は少し日焼けして精悍な感じのガイド、少し背が高くて細身、丸顔でぽっちゃりした感じ、の3人だった。男性は丸顔で少し太り気味だった。細身の女性から「靴下は何足持ってきましたか」と聞かれたので、「2足」と答えると、「この人は6足も持ってきたんですよ。信じられますか」と男性を指差してあきれたような顔をした。男性も負けずに「俺なんかパンツを3つ持ってきたんだぞ。さっきみんながいなくなった時に、こっそり履き替えたんだ。途中で戻って来たらどうしようかと思っていたんだ」とやり返していた。
- 二日目の朝は霧雨で風も強かった。烏帽子岳への縦走はやめて下山する事にした。13人組ツアーも烏帽子はやめて小屋に連泊するとのことだった。レインウェアを着て出発した。
- 風が強かったのは小屋近くの稜線の西側だけで、稜線東側に出ると風は弱くなった。「天狗ノ庭」近くで霧は晴れて雨もやんだ。鼻突八丁の梯子は、木が濡れて滑りやすかったので注意深く下った。岩小舎の先で登り登山者3人とすれ違った。この日にすれ違ったのは、この3人だけだった。
- 七倉登山口では日が差して暑いくらいだった。土砂を積んだダンプカーがひっきりなしに通っていた。2台待機していたタクシーのうちの1台に乗って信濃大町駅に戻った。