- 寸又峡から単調な寸又川左岸林道を大樽沢橋まで登った。途中から雨が降り出し、カサをさして歩いた。車は全く通らなかった。わずかにバイク2台とすれ違っただけだった。
- 大樽沢橋のそばの林道上に幕営した。テントを設営してすぐバイクが2台下っていった。驚いたことに、夜中の12時ころ車が1台上流方向に走っていった。
- 翌日、大樽沢橋から更に上流の樺沢登山口へ林道を歩いた。大樽沢橋からの登山道は荒れているとのことで敬遠したためだった。途中の林道の20km表示付近でカモシカを見た。
- 樺沢登山口からの登山道はしっかりしていた。途中の樺沢コルで免許証を拾った。(家に帰ってから送り届けた。6ヶ月前に落したとの事だった。)
- 樺沢ガレの前後はこけむした森の道を歩く感じで、自然との一体感が感じられるところだった。ホトトギスやツツドリが遠くで鳴いていた。シカが走り去っていくのを2回ほど見た。樺沢ガレからは黒法師岳,丸盆岳などの深南部の山々が見えた。
- 三方窪から三方嶺への登りでは、ガスが出て雨が降り始めた。途中でカモシカを間近に見た。三方嶺の手前にはキバナノコマノツメが咲いていた。三方嶺では一段と雨がひどくなった。展望は全く得られなかった。
- 三隅池から大無間山への最後の登りになるとイワカガミがたくさん咲いていた。葉っぱが雨で濡れて一段とつややかだった。
- 大無間山の山頂に着いた。遠くで雷が鳴っていた。用心して、三角点の有るところより2m位低くなったところにテントを張った。水場に水をくみに向かった。急な坂を下って行くと、雪渓が見えた。水場は雪渓の下かと心配になったが、雪渓よりも手前の岩場に直径30cm、深さ5cm位の水たまりが有り、水がチョロチョロと注がれていた。ポリタンクに吸い飲みの口を付け、スポイトの様にして何とか2リットルの水をくんだ。水場からの帰りの急な登りで道を間違えて引き返したりした事も有って、テントに戻った時には1時間以上経過していた。テントでラジオを聞きながらゆっくり休んだ。時々雷の雑音がラジオに入った。
- 翌朝は快晴だった。テントの中は明け方には6度まで冷え込んでいた。木の間から池口岳の双耳峰が見えた。
- 山頂から少し下った展望の開けた岩場からは、池口岳、光岳、聖岳、赤石岳、悪沢岳、間ノ岳などが見えた。聖岳から間ノ岳まではうっすらと雪化粧していた。
- 中無間山への途中の鞍部では倒木が多くて一時道を失った。単独行者とすれ違った。今回出会った唯一の登山者だった。
- 小無間山からの下りは急だった。鞍部付近は左右からガレが近付いていた。ガレのふちからは青薙山が見えた。時々見られるマイヅルソウやギンリョウソウにはげまされながら鋸歯と呼ばれるアップダウンを歩いた。P3の登り始めには3m位の間三点確保が必要なところがあった。小無間小屋からの下りでは蝉の鳴き声が多かった。
- 暗い樹林を何時間も歩いたせいか、田代に着いた時はずいぶんと明るいところに出た感じがした。バス停でバスを待っていたら、山中で出会った単独行者が車で通りかかったのであいさつをした。