- 檜枝岐集落の外れの広場に車を置きスキーを担いで林道を歩き出した。5分歩いた所で除雪が終わりスキーを履いた。快晴で無風だった。朝日がまぶしかった。昨日も歩いた林道は途中までは我々のトレースが有って歩きやすかった。
- 標高1031m地点の橋で前日の我々のトレースが無くなると、新雪に足の運びが遅くなった。広々としたキャンプ場を過ぎると左惣沢の出合に着いた。
- 左惣沢沿いに右岸を標高差80mほど登った。沢を離れ左手の斜面に取り付いた。カラマツがまばらに生える斜面で、下りの滑りはさぞ楽しかろうと思いながら登った。そよ風が吹いていた。暑くなったので途中でフリースとジャケットを脱いだ。
- 斜面が急坂になってきたところで右手の尾根に出た。尾根も急坂だった。ジグザグに登って行った。新雪でスキーでも15cm程もぐる雪に苦戦した。急坂でターンも苦労した。ところどころにカモシカの足跡が有った。標高1400m付近でようやく急坂が終わった。周囲には針葉樹が出てきた。風が少し出てきた。
- 1650mピークの手前の平坦になったところは斜面が波打っていて滑りにくかった。1650mピークは針葉樹がまばらに生えていた。雪解けの雫が落ちてくるので木の下から離れて休んだ。行く手に長須ヶ玉山が見えた。
- 1650mピークからいったん下り、再び山頂への登りになった。針葉樹の森でダケカンバも少し混ざっていた。振り返ると会津駒ヶ岳が白く見えた。風が少し有った。標高1830mにかけては再び急登になった。針葉樹の森だった。疲れが出てきた。山頂台地に出てからは平坦地の歩きが長かった。
- 少し高くなったところでGPSで確認すると山頂だった。針葉樹に囲まれ展望は無かった。木に赤テープが付いているだけで標識は見当たらなかった。
- 山頂台地の端までシールを付けたまま滑り、下りが始まるところでシールを外した。滑降を楽しむはずが疲労で足はボロボロだった。何度も転んだ。仰向けに転ぶと体はふかふかの雪に包まれ青空がきれいに見えた。このまま休んでいたくなった。そうも行かないのでストックに精一杯の力を入れて柔らかい雪の上に何とか立ち上がった。1650mへの登り返しでは再度シールを付けた。1650mからも何度も転んだ。夕闇迫る中、楽しみにしていた最後のカラマツの斜面も転びながらで楽しむどころでは無かった。
- 左惣沢の出合には暗くなる直前に着いた。ヘッドランプを準備して林道を滑り出した。雪はすっかり硬くなって、よく滑った。林道後半はランプを点灯した。スピードが出すぎるので最後の方はボーゲンで滑った。
- ようやく車の所に戻って長い一日が終了した。着いてからしばらくは何の思考能力も働かなかった。足の筋肉痛で檜枝岐の道の駅ではトイレまで歩くのがつらかった。