- 車道には新雪が少し積もっていた。小立岩集落内の道幅の広くなったところを更に20cmほど除雪して幅を広げて車を駐車した。最初、雑誌の記事を参考に林道沿いに進もうとしたが、数分歩いたところで、なだれ跡が有り、あきらめて引返した。結局20分ほどロスをし、大久保橋を渡ったところから直接尾根に取り付いた。
- 最初は植林帯だった。風が吹くと木から雪が落ちてきた。新雪でスキーの板も30cmほどもぐった。足を前に持ち上げるたびに力を使った。悪戦苦闘で100m登るのに1時間かかった。標高760m付近から雑木林になった。
- 標高860mにかけては急坂だった。最初、右寄りに登ってしまい、急坂で苦労したので、左寄りに進行方向を変えて、ようやく登りやすくなった。日が差してきて汗をかいた。標高860mを過ぎると、ようやく勾配がゆるくなってきた。ミズナラから細いブナの木の森に変わってきた。
- 標高1088mにかけて緩い尾根の登りが続いた。次第に太いブナの木が増えてきた。標高1150m地点で右側の展望が開けてきた。予定は標高1386mまでだったが時間切れになり、1285mピークでテントを張ることにした。外張りを取り付け、紐を3箇所木に縛りつけテントが飛ばされないようした。
- 翌日は晴れだった。テントの中の水は少し氷り始めていた。テントに余分な荷物を置いて出発した。テント場から最初の鞍部へ滑り下りる時に、したたか転んでしまった。尾根の登りは、昨日より雪が硬かった。10cmほどもぐるだけなので足を前に進めるのは前日より楽になった。風が少し吹いていた。ブナ林を快適に登っていった。
- 稜線に出た所からは山頂が間近に見えた。雪庇になっていたので木の生えているところを迂回しながら登った。転んだときに痛めたらしく、左足が山側になるたびに靴がすねに当たり痛かった。
- 雪庇の張り出した山毛欅沢山山頂で小休止した後、シールを付けたまま小手沢山に向かった。先ほどの稜線に出た所までは雪庇のできるだけ樹林寄りを滑った。1526m峰は西側のブナ林の中を巻いて進んだ。太いブナが多かった。小手沢山手前の小ピークを踏んだ後、最後の登りを終えると広い小手沢山の山頂に着いた。ダケカンバの木が少し有った。東から南にかけて展望が良かった。
- 帰りも1526m峰の西側を巻いた。再び左足が山側になり、すねが痛くて苦労した。山毛欅沢山手前の稜線分岐まで戻り、シールを外して滑降を開始した。快適だった。鞍部からの1285mピークへの登りではシールを付けた。
- 風のため、テントは少し浮き気味になっていた。注意深くテントをたたみ、再び重い荷物になって滑り始めた。昨日の跡がしっかり残っていた。1088m付近でストックの下半分を落としてしまい、20mほど登り返した。標高850mより下では木が多くなってきた。何度も転んだ。回転できなくてキックターンも何度かしながら滑った。
- ようやく着いた大久保橋では、雪解けがだいぶ進み、道路がすっかり乾いていた。