- 甲斐大和駅からの最終バスの乗客は我々二人だけだった。途中で運転手が「熊がいるよ」と言ったので前を見ると、小熊がバスから逃げるように車道を上に走っているところだった。小熊は1-2分バスに追いかけるられるように走った後、左手の谷に下って行った。しばらくすると大菩薩からの帰りのバス2台とすれ違った。どちらも満員だった。
- 終点の上日川峠でバスを降りた。登山者が10人ほど休んでいた。山道を歩き始めた。すぐ右手には林道が走っていた。曇り空のブナ林だった。3組の若いグループとすれ違った。
- 福ちゃん荘まで行きテントを張った。テントは全部で6張りだった。ウグイスが鳴き、カエデなどの木が生えた良いテント場だった。夕暮れ時にはアカハラが盛んに鳴いていた。
- 翌朝も盛んに鳴くアカハラの声で目覚めた。夜間の雨は朝には上がっていた。天気が崩れる予報だったので少し早めに出発した。
- ルリビタキなど鳥のさえずりを聞きながら登った。荷揚げの車も通れる広めの登山道だった。曇り空だった。大菩薩峠は展望が開けたものの霧で下がかすかに見えただけだった。
- 石丸峠までの間には小ピークが有り、前半が登りだった。針葉樹の多い樹林帯だった。メボソムシクイが鳴いていた。下りになると草原になり、霧も晴れてきて眺めが良くなった。ウグイスが鳴いていた。石丸峠には単独行が休んでいた。
- 石丸峠の先で縦走路を離れ小菅への道に入った。良く整備されていた。ダケカンバが多かった。霧が再び出てきた。咲き終わったヤマツツジのところでは、地面に花びらがたくさん落ちていた。
- 玉蝶山付近からブナやミズナラが多くなった。榧ノ尾山付近では、道の左右に蜘蛛の巣が多かった。水滴がたくさん付き、放射状の蜘蛛の巣がはっきりと見えた。榧ノ尾山の先で20分ほど雨に降られた。幸い木の葉に遮られて下まで雨は落ちてこなかった。1352m地点で休んでいる時に単独行とすれ違った。1352m地点を過ぎると一層霧が濃くなった。視界は30m位になった。
- 左手に小さな観音像を見てから5分ほど進むと棚倉小屋跡に着いた。開けたところだった。一休みした。近くにはヤマボウシが咲いてた。休んでいるうち雨が降り出したので木の下に移動した。雨は20分ほどでやんだ。
- 棚倉小屋跡の先でようやく霧が晴れてきた。モロクボ平までの間で単独行とすれ違った。モロクボ平の分岐点では、小菅の湯方面の道の方が良く歩かれている感じだった。ヤマガラが鳴いていた。モロクボ平からの下りで再び20分ほど雨が降ったが下までは落ちてこなかった。
- 植林帯に変わり、ジグザグに斜面を下って行くと車道に出た。雨が降ってきた。少し登り返すと小菅の湯に着いた。結局、この日、山中ですれ違ったのは二人だけだった。
- 小菅の湯で一浴してから祝杯を上げた。雨は本降りになっていた。