- 車はバス終点の大鳥登山口から4kmほど奥の発電所までしか入れなかった。曇り空だった。雪の積もった林道を歩いた。猫渕沢から先では林道に雪が崩れ落ちているところが多かった。皿渕沢出合には熊を取るマタギ用の小屋があり水が引かれていた。10人ほどマタギの人たちがいた。小屋のそばにテントを張って泊まった。
- 二日目は快晴だった。皿渕沢沿いに100mほど進んでから雪の斜面を登り始めた。尾根に出ると少し夏道が出ていてイワウチワが咲いていた。雨量観測所を通過し、更に標高900m付近で旧雨量観測所を通過した。
- 更に登ると潅木のまばらに生えた広々とした雪の尾根になった。二人組のスキーヤーが休んでいた。熊の足跡が有った。茶畑山の肩には雪庇ができていた。急な登りを登ると広々とした茶畑山の肩に着いた。茶畑山の肩から茶畑山山頂へ行く間で朝日連峰縦走の3人とすれ違った。
- 茶畑山からしばらくは標高が上がらず、登ったり下りたりの繰り返しだった。戸立山手前の急な登りが始まる場所で休んだときにピッケルを置き忘れ、取りに戻ったため30分ほどロスした。戸立山の先で二人組みの縦走者とすれ違った。三角峰からは大鳥池まで一気に下った。途中からブナ林になった。避難小屋には2階の窓から入った。他の宿泊者は無かった。
- 三日目は曇り空だった。地形図でルートを検討し、1103m標高点のある尾根を通ることにした。雪はあまり硬くなかったのでアイゼンは履かなかった。キックステップを使って登った。急坂でところどころピッケルを使った。1446m峰へは、目論見通り雪庇を避けて登ることができた。途中には藪もほとんど無かった。
- 1446m峰は濃いガスで視界20mだった。磁石を頼りに化穴山山頂へ向かった。ほぼ雪の上を歩き続けて化穴山山頂に着いた。こちらも視界20mだった。草地が出ていて傾いた三角点が見えた。風下に少し下がったところで休憩した。
- 予定では1446m峰まで戻った後、以東岳を経由して三角峰へ向かう予定だったが、視界20mのため断念し、大鳥池に戻る事にした。下りは足跡をたどるだけなので楽だった。大鳥池が近くなると視界が得られた。大鳥池から三角峰に登り返し、戸立山手前、1548m峰の北側まで行った。風が少しあったので雪面を15cmほど掘り下げてテントを張った。この日は登山者に会わなかった。
- 最終日は快晴だった。雪解けのせいで足跡はほとんど消えかけていた。足跡の残っているところも足形に逆に雪が盛り上がっていた。皿渕沢出合からの林道はだいぶ雪解けが進み歩きやすくなっているところが多かった。行きには一面の雪面だったところが雪解けで地面になっていて景色が一変しているところが有った。この日も登山者には会わなかった。
- 化穴山は行くのも大変な秘峰だった。