- バスで着いた車坂峠は吹雪だったのでビジターセンターで様子をみることにした。外は-13℃との事だった。しばらくしてホテル前に様子を見に行くと、ガイドツアーの4人組が出発準備をしていた。表コースを黒斑山に登り、中コースを下るとのことだった。ガイド氏は「樹林帯なので風はそれほど強くない」と説明してくれた。
- ビジターセンターに戻り野菜たっぷりの味噌ストローネで鋭気を養ってから我々も意を決して出発した。
- 表コースには4人組のトレースが有った。尾根の南側で樹林も多く、風は車坂峠より少し弱かった。木には霧氷が見られた。途中で4人組のものらしいピッケルケースを拾った。
- 車坂山まで来ると雪が深くなった。4人組の足跡がスノーシューに変わっていたので我々もワカンを付けた。
- 車坂山の先の鞍部を過ぎるとコメツガの樹林帯の登りになった。風の音がすごかった。日が少し差してきた。標高2120mを過ぎると、所々樹林帯が切れ、風が強かった。
- 平坦地が続いた後、再び登りが始まる標高2200m地点で時間切れになったので諦めて引き返すことにした。Aさんから暖かい甘酒をいただき一息ついた。
- 下りでは風がやや弱くなり視界も少し得られてきた。快適に歩き車坂山に着いた。あとわずかと思っていると、風に吹かれた雪でトレースが消えていた。コンパスで方角を定め、100mほど進むと登りのトレースが現れた。しばらく進むと峠のホテルが見えたので一安心した。寒さのためコンパクトカメラのレンズカバーが凍り付き写真が撮れなくなった。
- ホテルロビーに入り少し落ち着いたのでガトーショコラのケーキセットをいただいた。ツアー客もいたので「これを落としませんでしたか」と拾ったピッケルケースを渡すと、戻ってきて良かったと感謝された。B大学のワンゲル部員3人でガイドから雪山を学ぼうと講習会に参加したとの事だった。黒斑山には行けず表コースから中コースへと回っただけだそうだ。我々も黒斑山には登れなかったけれど、また改めて来ようと思った。
- 幸いカメラは暖まってレンズカバーも動くようなり復活した。見え始めた黒斑山をホテルの中から撮影した。今回は、久々に厳しい冬山を味わい、それなりに満足した。