- 土合駅の階段を登り集合地点の土合駅前に着いた。車組はすでに到着していた。今回は5人のパーティーだった。
- 白毛門へは最初から急登だった。標高1000m前後ではシャクナゲやイワウチワが咲いていた。標高1154m付近から雪が出てきた。真っ白なブナの幹に囲まれた雪の急坂を登って行った。左手には谷川岳と一ノ倉沢が見えてきた。
- 鎖場を通過すると松ノ木沢ノ頭に出た。森林限界を越え、傾斜も少し緩くなった。振り返ると土合駅と天神平スキー場が見えた。
- 白毛門の肩の付近を山頂に向かっていたら、急に雷のような音がした。見下ろすと崩れた雪庇がなだれ落ちて行くのが見えた。白毛門山頂には雪はなかった。谷川岳がよく見えた。
- 笠ガ岳との最低鞍部を通過し、小ピークを越えた幕営地点に着いた。平らで広々とした絶好の場所だった。
- 翌日は4時過ぎに起床した。簡単な朝食を済ませ、テントをたたみ、アイゼンをはいて出発した。笠ガ岳までは急登だった。笠ガ岳山頂部には雪はなかった。すぐ東側にかまぼこ型の避難小屋が見えた。アイゼンを外して夏道と雪道が交互に現れる稜線を朝日岳に向かった。木には霧氷が着いていた。
- 朝日岳の山頂部は地面が出ていた。北東側は一面の雪だった。ジャンクションピークまでは雪の上に木道が少し出ていた。清水峠との分岐には標識があった。巻機山の字の下には小さく「道ナシ」と書かれていた。
- ジャンクションピークからの下りは大雪面だった。軽快に下った。大烏帽子山に登り返し、檜倉山との鞍部に向かった。稜線は雪に覆われていたが、ところどころ藪になっていた。一度、藪を避けようと下りすぎて、結局、30度の斜面をトラバースするはめになった。鞍部に着くと青空がのぞき始めた。東側の展望が良かった。どこまでも山が続いていた。20万分の1地形図で山名を同定した。白い下津川山が目に付いた。檜倉山への登りで振り返ると大烏帽子山がその名の通り尖って見えた。
- 檜倉山では地塘が氷っていた。笹の緑の上に白い山が見え、楽園のようだった。ゆっくりとくつろいだ。
- 柄沢山との鞍部付近は雪庇が多かった。柄沢山へは、標高差350mのきつい登りだった。柄沢山の肩でようやく傾斜が緩くなった。振り返ると通ってきた朝日岳と笠ガ岳がはるか遠くに見えた。