- イスタンブールからの飛行機が着いたVanには、地元ツアーのガイドSaffet氏が迎えに来ていた。車で、途中のムラディエ滝の見物も含め、約3時間でふもとのドウバヤズットに着いた。ちょうどラマダンで、レストランは19時半からの営業、かつアルコールも無かった。アルコールを求めて市内を徘徊するも結局あきらめた。
- ツアー参加者はロシア人3人、チェコ人学生3人、日本人2人の合計8人だった。標高2250mの登山口で荷物を馬に積み、身軽になって歩き出した。木の全く生えていない乾燥した土地で、アザミのような草が多く生えていた。
- 標高3350mのBase Camp は広々したところだった。ツアー会社ごとに4箇所に分かれてテント村ができていた。我々は小規模ツアー会社のため、テントはこの日運んできた4張りだけだった。 Base Camp には沢からホースで水が引かれていた。夕食は羊肉の煮込みだった。
- 二日目は高所順応で High Camp 上部、標高約4150mまで往復した。朝は晴れていたのに、行動時はガスだった。最初は呼吸が苦しかったが次第に慣れてきた。すれ違う人や馬が多かった。夕食は鳥肉の煮込みだった。
- 三日目、 Base Camp から標高4080mの High Camp まで移動した。荷物は馬で運んだ。夕食は4時半頃から牛肉の煮込みだった。あまり食欲が無かった。夜間、深呼吸をしていないと頭が痛くなり熟睡できなかった。
- 四日目は登頂日。0時起床。朝食はパンと紅茶。食欲は無かった。冬山用のジャケットとオーバーパンツを着込み、行動食のお菓子、ジュースをもらって1時過ぎに出発した。呼吸が苦しく、一行の中でも遅れ気味だった。次々と3パーティーほどに抜かれた。風が強めで、ウールの手袋だけでは手が冷たかった。見かねたガイドがスペアの手袋を貸してくれたので助かった。日が登り、周囲が明るくなると、影アララット山が見えた。最後の標高差200mはゆるやかな雪面の登りでクランポンを使用した。深呼吸を続けたせいか、ようやく調子が出てきた。
- 山頂は快晴だった。20人程の登頂者でにぎわっていた。強い風の避けられるイラン寄りに座って休んだ。町と反対側のせいか携帯は通じなかった。一休み後、名残惜しい山頂を後にした。この日の登頂者は100人位いた。
- 下りでは頭が痛くなり出し調子が悪くなって来た。ゆっくり下山した。High Camp近くで高所順応で登ってきた人に「何か問題が有ったのか」聞かれたので「No problem」と答えたものの気分はすぐれなかった。
- High Campで休んでいるうちに体調は少し回復した。馬に荷物を積み込んで下山を開始した。途中の休憩所でお茶を飲んだりして休みながら、登山口にはすっかり暗くなってから着いた。
- ドウバヤズットのホテルに着いたときは21時を過ぎていた。ラマダンの日没後でにぎわっている町に繰り出し、ミネラルウォーターで祝杯を上げた。
- 翌日以降はカッパドキアとイスタンブールで観光をしてから帰国した。