- 予約制のバスの乗客は一人だった。終点の鳩ヶ湯で下車し、舗装された県道を歩き始めた。日が差して暑かった。釣り人の車が所々に停まっていた。正面に願教寺山が見えた。やがてジグザグの登りになった。下の方にカコサガ滝が見えた。県道が下りになると小池公園のキャンプ場に着いた。きれいな草地の上にテントを張った。テントはもう一張り有った。
- 二日目、予報は50%の降水確率だった。雨の降らないうちにできるだけ歩こうと思い、暗いうちに出発した。暗すぎてキャンプ場からの出口で5分ほど迷ってしまった。
- 三ノ峰登山口に着いた頃には、すっかり明るくなっていた。鳥の鳴き声が多かった。水場付近ではミソサザイが盛んに鳴いていた。標高1220m付近まで登ると雨が降ってきた。引返そうといったんは思った。念のためラジオで天気予報を確認したところ、相変わらず50%の降水確率だった。思い直して、そのまま進むことにした。
- 稜線に出た所が六本檜だった。付近にはササユリが咲いていた。少し展望が開けていた。山の上にガスがかかっていた。六本檜からはブナの森になった。クロジが鳴いていた。ササユリが所々に咲いていた。
- 杉峠からは登山道に笹がかぶるようなった。次第に雨足が強くなった。1333m標高点付近では雨足が強いため下山に一番良いのはどのコースか検討した。結局、登り続けるのが一番早いとの判断で先へ進むことにした。
- 裏赤兎山への登りで、一度、道が分からなくなり2-3分うろうろした。裏赤兎山が近付くと時々笹原が現れ、ササユリが多くなった。裏赤兎山と避難小屋の間は急坂の下りと登りが有った。
- 坂も緩くなり、ササユリやニッコウキスゲの咲く草原になると、避難小屋に着いた。小屋の中に入り雨宿りした。小屋は無人だった。床が少しぬれていて少し前まで人がいた気配がした。鳩ヶ湯へ下山の予定だったが、途中に渡渉が有るので雨が降り続くと危険と思いコースを小原峠からの下山に変更することにした。鳩ヶ湯からのバスの予約をキャンセルしようと携帯をかけたが圏外で通じなかった。
- 避難小屋から山頂までは、ところどころ湿原がありニッコウキスゲが咲いていた。最後に少し登ると山頂に着いた。山頂でもなかなか携帯が通じなかった。あちこち移動して、結局、1m位の台の上に登ってようやく通じた。バスの予約をキャンセルできて少しほっとした。
- 小原峠まではよく整備された道だった。小原峠には石川県側から登山道仮払い作業の4人組が登ってきていた。この日出会った唯一の登山者だった。福井県側に下山する予定を変更し、一緒に石川県側に下山することにした。
- 登山口の作業道終点に着いた時も雨は降り続いていた。4人組の車に便乗させてもらい小松駅まで送ってもらった。