- 福井県北部の縦走も二日目の後半になった。小原峠から赤兎山へは、雪の広い斜面の急登だった。コンパスで方角を合わせピッケルを使って登った。
- 傾斜が緩くなり尾根の登りになると、やがて赤兎山に着いた。山頂は地面が出ていた。天気は下り坂で白山は見えなくなっていた。風が強かった。
- 山頂から緩く下り、平坦地を半ば雪に埋もれた木道で進むと避難小屋に着いた。この日の宿泊は我々だけだった。外の雪を溶かして水を作った。小屋内は電波は通じなかった。16時過ぎからは雨になった。
- 雨は朝まで降り続いた。昼前にはやむ予報だったので予定より遅らせて出発する事ことにした。
- 濃い霧で本降りの雨の中を出発した。赤兎山山頂では電波が通じたので下山開始の連絡をした。
- 経ヶ岳への道は雪道と夏道が交互に現れた。広い平坦な箇所では雪道に、尾根が細くなると夏道になった。夏道ではカタクリが密生していて踏まずに登ることができないほどだった。通る人が少ない様子だった。雨だったので花は閉じていた、
- 経ヶ岳への登りになると岩の間を縫って進む道が有った。同行のAさんは岩に靴が挟まり抜くのに苦労した。3m近い雪壁で道が塞がれていた所が有り、横のヤブの木をつかんで体を引き上げた。
- 経ヶ岳の北岳に着いた時には雨もやんでいた。この先は道も良さそうなのでようやくほっとした。レインウェアを脱いでゆっくりと休んだ。
- 北岳から経ヶ岳までは雪田が少し有った。三角点を過ぎると、経ヶ岳山頂に着いた。雪は無く芝生状に草が生えていた。周囲は霧に覆われていた。反対側から登ってきた5人組がいたので標識と一緒に写真を撮ってもらった。
- 経ヶ岳からの下りは、滑りやすい赤土の道だった。何度か滑りながら下った。登り返しも多かったので思いの外苦労した。時折日が差すものの、すぐに霧になりすっきりしない天気だった。保月山付近には岩場が有り蟻ノ戸渡のような所も有った。保月山を過ぎると下界がようやく見えて晴れて来た。新緑やイワウチワの花を見ながら下った。
- 最後は旧スキー場の横を通ると登山口の青少年自然の家に着いた。靴やスパッツは泥だらけだった。服がよこれたBさんはタクシーの運転手に尻に敷くシーツを借りてから乗り込んだ。