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■セブンアイ 善意銀行
よりによってこんなところで、と思うような場所と状況で笑いたくなるものだ。 車椅子を10年にわたって100台も寄付された方、養護施設の子供たちへのボランティア活動など、表彰項目は大変多いが、「物品の寄付」の項目に「鈴虫」と見つけて、不謹慎にも笑いが止まらず下を向いた。ふと気付くと、覚えのある男性2人が横に座っている。 この時期、招待のリボンをつけて座る場所はほかにもあったと思うが、こじんまりした都民ホールに2人は代理ではなく、自ら足を運び、都知事の名前が入った感謝状を受け取った。 私にとっての「感謝状」は、引き出しに何十枚もしまってある。試合観戦の後、子供たちが丁寧に感想文を送ってくれる。初めてサッカーを見たという子供たちが大半であり、彼らのこんな率直な文章は心にしみる。 土橋、宮本両選手がスポーツに彼らを招待し、さらに夢まで贈ってきたことに特大の拍手を送りながら、鈴虫は一体何匹寄付されたのかを想像したら、また可笑しくなってきた。 (東京中日スポーツ・2002.11.22より再録) |
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