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■セブンアイ 「夢の続き」
創立百年目を迎える名門・レアル・マドリッドのホーム、サンチャゴ・ベルナベウ・スタジアムのピッチは、5月7日の夜、どしゃ降りに必死に耐えているようだった。しかし、前半30分を過ぎ、2枚看板のロベルト・カルロス(ブラジル)、フィーゴ(ポルトガル)が交代した頃から、適度な水分で滑っていたボールが、ついに水たまりにはまり動かなくなってしまった。 Jリーグが始まって以来、正確にはその数年前から、日本のスポーツターフは画期的な進歩を遂げてきた。欧州に比較し雨が多く、四季があることは、芝の養生にはとてつもないハンディになる。 「仕事に従事したみんなが本当に小さな努力を積み重ねたということでしょうね」 「でもね、終わってからが本物の勝負になるね。落ちついたらさらに勉強して、ずっといい状態を保ちたいと思っているんだ」 ずっと、という言葉に柔らかな芝の上を裸足で歩く感触を思い出し、微笑みたくなった。「芝とスポーツ」がともにある幸せを持てなかった国がW杯開催の夢を実現し、そしてなおも、この夢には「続き」がありそうだということに。 (東京中日スポーツ・2002.5.10より再録) |
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