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前半40分には、DF中田浩二が放ったロングシュートが相手DFに当たり、このこぼれ球を高原直泰が胸トラップから決めて、2−0とした。 後半は先発平瀬智行に代わって入った小島宏美が豊富な運動量とスピードを活かして、日本チームの攻撃全般に勢いを与える。58分には高原、また63分には小島が得点を加え、ここで4−0。試合を決めた。 その後は、試合が中だるみし、また35分過ぎからはDFの凡ミスも目立つなど、疲労のせいか集中力をやや欠いてしまった。 ニュージーランドは、オセアニア予選でバヌアツ、パプアニューギニアに勝ち、現在、五輪出場権をかけて南アフリカとのプレーオフを戦うための強化中で、大学生が4人含まれているチーム編成だった。
主将を務めた松田「もう少しフィードをしっかりすることを課題にしていたが、後半の最後のほうには凡ミスをしてしまった。あれは許されないミスだと思うし、きょうの試合自体、いいとか悪いとか言うような試合ではなかった。だから、ミスを深く反省したい」 観戦した釜本邦茂・強化推進本部長「相手とのレベルが違っていた。それでも前半はセットプレーと相手のミスからの得点で、やはり最後の(フィニッシュ)ところで落ち着かないのが気になる。相手の動きをもっと見てからボールを中に放り込まないと。中村のキックもいいが、右から何人か飛び込んでいるにもかかわらず、(ボールが)流れている場面があった。こういう相手なのだから、もっとしっかりと形を作っていかなくてはならないし、相手にひかれた時にどうするか、それはチームの練習の中でもちゃんとやっていない。ラスト10分は、観ていたお客さんも物足りなさを感じたのではないか。4月の日韓戦は、A代表だし身体能力も違うので、また違った強化の面が観られるはずだ」 「フリーキックの中村、と呼ばれたくない」
試合そのものについては「きょうは疲れもあったから、後半はミスもしていた。そういう中で結果は出せたということを収穫にする」と、アバウトな感想を口にしていたが、やはりプレーのディテールになると、かなり細かいレベルでの目標設定と課題を自分自身に課していたようだ。 前半のフリーキックは、中村の力を存分に見せるものだった。中村はそれを「アルディレス(横浜監督)の助言のお陰」と説明する。 そこで、本山と入念に相談している。 こういうことは、フリーキックについてのみの姿勢ではないのだろう。試合後のミックスゾーンでは丁寧に答えていたが、輪を離れるとふと笑った。 「大人気ない VS 叫び続ける」
釜本副会長は、「大人気ない」と一言。これまでも何度も会合を持って、特に監督が熱望したツーロン(フランス)での国際試合に五輪代表を遠征させることについては、香港、マカオで2度話していると説明した。 「前から聞いていた話でもあるし、アジアカップの時(2月)に説明し、彼も納得したはず。それで彼自身がどう思ったかは別としても、代表監督としてなんで今さら、我々がまったく取り合っていないかのような発言をするのか、これから聞いてみたい」とした。 この件についは、過去にも似た事例はあり、またか、といった反応が多い。 「日本に来る時にも、もちろんJリーグの事情から何から合意した上で引き受けてもらったと思っている。時々、何か突然、それもみなさん(報道陣)に話し出す。そもそも外国監督でも日本人監督でも日程は常に問題にはなっている」(川淵チェアマン) 「自分たちとの話し合いでは、そんな話(協会のトップと話していないなど)したこともない。代表監督をないがしろになんてするはずがないじゃないか」(木之本・強化本部副部長)。 実際に、連絡が密というほどでもないが、コミニケーション不足と言えるほど不足していたわけではない。岡野会長は月に一度、必ず話し合いを続けてきており、「トップと会えない」というトルシエ監督の不満も、矛先が不明だ。岡野会長はこの日も、「(何度も話しているが)私は聞いていない。伝聞には答えられない」とした。 代表の強化日程は、過去のどの監督よりも確保されている(W杯の98年はのぞいて)点も事実だろう。 監督の不満は、こうした漠然とした日程問題ではなく、もっと具体的に「マッチ・メイク」にぶつけてみたらどうか。 昨年の5月に豪州と親善試合を行ったが、こちらが今年のゲームにふさわしく、ニュージーランドはむしろ昨年。日程が苦しいのは苦しいで理解できるが、ならば、どこと、いつ、どんな意味で試合を組むかはもっと慎重に、またしたたかに練るべきだろう。 短信:ペルージャのガウチ社長が試合を観戦。「今回は本気で日本人を獲得しようと考えている。3人くらいを候補にしている」と意欲を見せていた。
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