瓦解! ツール王国 (6月1日またまたアップデート)


 2008年3月25日、とんでもないニュースが飛び込んできた。工具販売のツール王国の親会社であるエイシンが自己破産し、当然の成り行きとしてツール王国も自己破産してしまったのだ。要するに倒産である。まさに王国の瓦解だ。






 帝国データバンクには、以下の記事が記されている。
「大阪」(株)エイシン(資本金5000万円、大阪市北区中之島3-2-18、代表永冨伸夫氏、従業員400名)は、3月24日に事業を停止し、事後処理を森真二弁護士ほかに一任した。25日にも自己破産を申請する見込み。

 当社は、1995年(平成7年)4月に創業、96年(平成8年)10月に法人改組した機械・工具類の通信販売業者。業界後発組ながら、インターネットやカタログを媒体に顧客数を拡大させた通販業者で、当初は整備工場やディーラー向けに自動車関連製品の販売としてスタート。その後、研磨・切削用品、ボルト類、溶接機器、板金工具などの機械工具、安全用品や作業服類、オイルほかの自動車消耗品、さらにオフィス家具用品など約6000アイテムまでに取り扱いを拡げ、2007年7月期の年売上高は約67億300万円を計上していた。

 年2回のカタログ発行で前期末時点の顧客数が15万件を突破するほか、オリジナルブランド「ES POWER」など中国からの輸入製品を中心とした商品展開で知られたが、約1万?の物流センター(大阪市)やコールセンターの開設、また関連会社(株)ツール王国を通じた店舗販売への進出など、大規模な設備投資に伴って金融債務が大幅に増加。また、アイテム数の拡大に伴う在庫資金で資金需要が増す一方、不良在庫の発生を余儀なくされたことから、財務内容は急激に悪化していた。ITを利用した在庫管理システムの導入や低価格販売で立て直しを図っていたが奏功せず、先行き見通し難に陥った。

 なお、関連で小売店舗20店舗弱を展開する(株)ツール王国、および物流業務を手がける(株)AEGLも同様の措置を取る見込み。
 
 負債はエイシンが約80億円、ツール王国が約15億円、AEGLが約2億円で、3社合計では約97億円が見込まれる。

 話によると、従業員は24日の夜になって、本社から突然送られてきたメール一本で倒産の事実を知ったそうだ。信じられなかったのではないだろうか。後述するが、死ぬ直前まで従業員はやる気満々だった。報道を見る限りは突然死のように見えるが、破産の手順・手続きを考えるとそうではない。役員など極一部のものだけ、あらかじめ倒産することは分かっていた(悪意ある計画倒産という意味ではない)。

 バブルの時代でも、これだけのスピードで事業を拡大したところは少ない。またバブル崩壊の時代でも、これだけのスピードで散っていった企業もまた少ないだろう。なんといっても、最も新しい店舗は07年9月8日にオープンしていた。開店から半年で倒産しているのだ。
 販売している工具類が非常に安かったので、非常に短い期間であったにもかかわらず我々に大きな恩恵をもたらせてくれたツール王国。自己破産のため、精算会社が存続する以外は、恐らく復活することはないと思われる。長年親しんできた店がつぶれるといった趣とは異なっている。だからこそ、ツール王国の軌跡を記録にとどめておきたい。そして自動車趣味を行う上での他山の石としたい。


倒産直後のツール王国の様子
ツール王国の激安戦略
ツール王国、怒濤の進撃
そもそも倒産とは何か
同業他社の声
その後のツール王国の状況は・・・
4/27アップデート、さらにその後のツール王国の状況は・・・
5/11アップデート、ツール王国の商品はどこへ消えた??
6/1アップデート、ツール王国の商品はどこへ消えた??、その2


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