データの解析

 結果・・・掲載時の紹介文文字数が多いと、アクセス数増加効果は著しく落ちた。逆に文字数が少ないと増加効果は高まった。即ち、文章を読んでホームページの内容が具体的にわからないものの方がアクセス数が増える傾向にある。理想的な紹介形態を強いて挙げるとすると、紹介文は短く、ホームページの画像は大きく目立つというのがよい。

 「これは意外な結果となった」、と感じられる方が多いと思います。しかし、これは私の開設しているカテゴリの全く異なる2つのホームページに共通した事実なのです。前のページの表の所々に赤字で紹介文文字数とアクセス増加数が書いてありますが、これを見れば一目瞭然です。
 ではなぜ紹介文文字数が多いとアクセス数は増えないのか。これは冒頭でも述べた通り、ホームページの内容が雑誌に詳しく(=文字数が多い)書かれると、それを見た読者はアクセスしなくても分かった気になるためアクセス数が増えない、と言えます。逆に文字数が少ないとアクセスしてみないとそこがどんなホームページなのか分からないので、アクセス数が増える傾向にあります。


雑誌掲載時の紹介文の文字数とアクセス数増加数の関係

 最もアクセス数増加効果の多かった「日経Mac」の例を見てみましょう。紹介された文字数は13字、アクセス増加数は100件です(それでもたったの100件ですが・・・)。その13字に何が書いてあったのか。97/3号からその部分を引用すると、「具体的な事例が最高に面白い」とだけ書いてあります。具体的な事例とは何なのか、どうして最高に面白いのかが全く書いてありません。そう、アクセスしてみなければ分からないような書き方になっているのです。なお、日経Macは今回紹介した例の中で、最も少ない発行部数になっていたものと考えられます。というのは、当時の日経Macは一般書店で販売されず、1年契約をした人のみに発行されていたからです。
 それに対してアクセス増加数の少なかったもの、即ち紹介文文字数が多いものは、このホームページは何をするところでどんなところが凄いのか等、詳しく書いたものが多くなっています。日経Macの対極をなすものが、Macファン・インターネットに執筆した私の記事です。2ページ・3000文字にわたって「アクセス数増加のノウハウ」を書いたもので、いわばこの「ズバリ!! 見てもらえるHPの作り方」の縮刷版といえる内容を誇るものです。非常に詳しく書いているためアクセスする必要がないのでアクセス数が増えませんでした。従って読者の興味を引くような、しかもアクセスしてみないと分からないような文章が書いてあるとアクセス数が増えるといえます。
 以上の結果を総合すると、紹介文文字数は少なければよい、という結論になってしまいますが、データを整理した私自身この結論には疑問を感じています。文字数が少ない=紹介されている面積が小さいと今度はかえって目立たなくなってしまうからです。よく1ページに20も30もホームページの紹介を詰め込んだ雑誌のコーナーがありますが、これではいくら小さくても効果は無いでしょう。日経Macの場合は、紹介文文字数が少なくても画像サイズは大きく目立っていたため、強いて結論づけるとするならば、紹介文は短かいが、ホームページの画像は大いものがよいというところでしょうか。ただ、紹介文文字数が多くなると効果が少なくなる、という結論はほぼ間違いのないものだと考えられます。

如何ともしようのない壁
 雑誌に掲載されるためにはいろいろな努力が必要となります。雑誌編集のプロがホームページをみて掲載の決定をするわけですから、ホームページの内容がそれなりに優れていなければなりません。詳しくは追記版のホームページを雑誌に掲載するをご覧下さい。
 ところが様々な努力をして雑誌に掲載されたとしても、アクセスを増加させるという観点からすると「如何ともしようのない壁」が存在します。それはホームページの紹介文を書くのはホームページの主宰者であることは希で、ほとんどの場合雑誌編集者が書くというものです(他人の書いた文章を横流しにして誌面に掲載するような編集者は仕事をしていないことになるため)。私の場合、約20例の紙媒体への掲載例の内、1件しか自分の思い通りに書かれていませんでした。また紹介文の大半は、短い文章であっても、このホームページはどの様なものなのかという要点を押さえていたものでした。これではアクセス数は増えません(紹介されているのですから、一応の情報発信にはなっていますが、自分の考えている通りではないので実に不本意ですよね)。こうなってくるとアクセス数が増えるも減るも、あとは運次第ということになります。

では対策は??
 アクセス数が増えない原因はわかりました。編集者がホームページの内容を勝手に書いて、ホームページ主宰者の思い通りに(しかもアクセス数を増やすよう仕向けることができずに)書けないことです。しかし原因が判明すれば対策がたてられます。実はその対策案の効果の程を確認しようとしたのですが、結局完遂できませんでした。どのようなことをしようとしたのかというと、雑誌の付録についているCD−ROMに投稿しようとしたのです。その中のドキュメントに、読者の興味を引くような、しかもアクセスしてみないと分からないような文章を書こうとしました。ドキュメントの書き換えは、さすがに編集者といえども許されませんから、効果があるだろうと踏んだのです。しかし投稿した結果、ボツ。残念ながら効果を検証することができませんでした。ただ、アクセス数増加手段としての雑誌の威力というのはいままで見てきたとおり非常に小さい上に、効果のあるホームページの宣伝手段の一般則にもはずれ、さらに運・不運まであります。これ以上の努力というのはほとんど無駄と言ってもいいのではないかと思いますので、深追いはやめておきましょう(なお、これと似たようなことを後述のシェアウエアの公開でアクセス数が増えるかで行い、結果も得られています。ご参考までに)。
 ちなみにどの様なものを投稿したかというと、AZ−1のQuickTime VRムービーです。ガルウイングドアを自在に開閉できます。実は某MacPower誌にQTVRの作り方の連載があり、それをみて作ったのです。未発表の作品に限るということだったので、ホームページで公開する前にMacPower誌に義理立てして、まず最初に公開してもらおうかと思ったのに(この件については編集部あてのドキュメントに書いた)。私がまだ98ユーザーだったときからの読者だったのに・・・。MacPower、恨みます。