Nikkei NetHPコンテストの傾向変化と入賞するための対策

 皆様の多大なるご支持により、「ズバリ!! 見てもらえるホームページの作り方」は第18回、第23回のNikkei NETのホームページコンテスト、「ホームページ作りに役立つサイト」においてそれぞれ8位、11位となることができました。投票して下さった皆さん、どうもありがとうございました。また私のメインページである、「世界最小のスーパーカー(笑)AZ−1のページ」も第24回「マニアックなホームページ」で7位になることができました。そこで、入賞回数も増えてきたことですし、全く違ったジャンルのHPも入賞できてある程度のデータ数が得られたことから、Nikkei NetHPコンテストの傾向の変化と入賞するための対策を考えてみたいと思います。


 1.Nikkei NETHPコンテストの傾向の変化
 今までのデータをまとめてみると、Nikkei NETHPコンテストで異変が生じていることに気がつきました。それは、HPコンテストで入賞してNikkei NETからリンクが張られても、アクセス数が全く増えなくなったのです。この現象は「AZ−1ページ」のときも同様でした。そこで、なぜそうなったのか、原因を解明することで得られた答えは、他の事例にも一般化できるものなのかを考えてみました。
 まず下に、第18,23,24回のHPコンテスト入賞後のアクセス数の推移をそれぞれ示します。


第18回HPコンテストの時のアクセス数
50件程度のアクセス数増加効果が認められた。


第23回HPコンテストの時のアクセス数
これは全く増えていない


第24回HPコンテストの時のアクセス数
AZ−1のページも同様に増えなかった


 第18回は増えたのですが、23、24回は増えていませんね。なぜこんな事になったのでしょうか。1つ理由が考えられます。それは第20回までは、Nikkei NETのメインページからHPコンテストのページまで直接リンクされていたのですが、第21回以降は「ビジネスwebガイド」というHPにジャンプして、さらにHPコンテストのページまでジャンプしなければならなくなったという点です。言うなれば階層が1つ深くなったのです。Yahoo!の威力と落とし穴では、階層の浅い方がアクセス数が多くなると述べました。それと同じ現象がNikkei NETでも起きたものと考えられます。従って、単純なリンク集でも、なるべく浅い階層に登録される方が、アクセスしてくれる確率が高くなると思われます。さらにこの結果から、1日あたり900万ビューに近いNikkei NETからリンクされてもこの程度のアクセス数増加効果しか無いのですから、通常のリンクでは全く増えないといっていいということが改めて確認できたと言えるでしょう。


Nikkei NetのHP
HPコンテストのページに行くには、
わかりにくい(目立たない)ボタンから辿る必要がある

 ところで、ここからは推定になります。リンクでアクセス数が増えなくなったということは、HPコンテストのページに来る人が少なくなったということです。ということは、投票フォームが同じサイトにあるのですから、投票する人自体も減ってしまったことになります。これが何を意味するかというと、HPコンテストにおける各順位の得票数が少なくなり、今までは票差が大きくて上位に食い込むことができなかったものが、ちょっとした気まぐれでそれが可能になるということです。ただし、過去それから現在の得票数が公開されていないので、本当に得票差が縮まっているのかどうかわかりません。しかし、様々なHPに入賞のチャンスがでてきたと考えたいですね。


 2.Nikkei NETHPコンテストに入賞するには
 いろいろなHPを見ると、「Nikkei NETのホームページコンテストで是非投票して」というような記述を見かけます。しかし、そう書いてあるHPのほとんどは、私の知っている限り入賞したためしがありません。要するに、むやみやたらに頼み込んでもダメということです。ではどのようなHPを作れば入賞できるのでしょうか(入賞であって、優勝ではありません)。全く主旨の違うHPで計3回入賞した、という経験から言うと、「HPに対してハマっている人を増やす」という因子が大きな影響を持っているのではないかと思います。ただし、これは数値化された様々なデータから推定したものではなく、消去法で得た半ばこじつけたようなものですので、これから先は「読み物」程度の軽い気持ちで見て下さい。
 ではなぜハマっている人が重要である、という結論に達したのでしょうか。HPコンテストで入賞したHPを解析してみましょう。なお解析には、「マニアックなHP」で入賞したHPを挙げました。理由は、様々なジャンルが混在している、ということです。もちろん「HP作製の役に立つHP」を例に挙げると条件がある程度整うという点で良い面もあるのですが、同業者の解析=誹謗中傷になりかねない、という問題も出てきますので、これを例に挙げることは取りやめます。
 次に入賞したHP上位20位までのサイトとアクセス数を下に示します。

順位サイトアクセス数
1CD-R Maniacs130万件
2F1 Fan's Page110万件以上
3窓の杜 − Windows Forest Page不明
4N.TONOSAKI's Personal Station320万件
5Win95J祐基のホームページ不明
6MACお宝鑑定団不明
7世界最小のスーパーカー(笑)AZ-1のページ9万件
8PC Watch不明
9Vector Software PACK不明
10セガ・エンターテイメントユニバース不明
11まぐまぐ不明
12MacTree730万件
12どるこむ33万件
14ウェブ同窓会「この指とまれ!」 350万件
15Fast & First61万件
16teleparc GAME geisen不明
17NASA不明
18こち亀 OFFICIAL SITE!!不明
19「新し物好き」のダウンロ〜ド320万件
19GAINAX NETWORK SYSTEMS不明
・第24回Nikkei Netホームページコンテストより引用      
・アクセス数は'98.5.3現在                   
・カウンターがついていなかったためアクセス数が不明なものもある

 アクセス数と入賞順位の関係
 アクセス数が多いほど、上位入賞できると考えられます。見る人が多いということは、それだけ投票される確率が高まるのですから。ではその関係をみてみましょう。なお、表に示したアクセス数はトータルアクセス数で、年間何件というものではありません。結果は、確かにアクセス数の多いものが上位入賞を果たしている傾向にはありますが、明確な相関関係が認められません。他のお題目のコンテストで入賞したサイトのアクセス数も考え合わせると、年間5〜10万件程度のアクセス数があるサイト=ある程度有名なサイトならば、「よく利用するHP」というお題目を除いて入賞のチャンスがあると考えられます。

 得票数と入賞順位の関係
 残念ながら、全体の投票数は公開されてはいても各順位の得票数が公開されていません。従ってこの関係を考察することができません。ちなみに第24回「マニアックなHP」では全体の投票数は2911票となっていました。もし、各順位の得票数が公開されており、HPのアクセス数との関連を調べることができると面白い結果が得られるのではないかと思うのですが・・・。

 重要因子の推定
 HPコンテストでの順位を種々の解析したところ(全然解析になっていないという話もありますが)、各因子と入賞順位には今一つ明確な相関関係が得られませんでした。そこでコンテストの結果からでは重要因子を推定できないと判断して、全く違った視点から考えてみました。つまりHPコンテストで投票する人のことを考えてみたのです。なぜならば、実際に投票するのはHPを見ている人だからです。そこで1つ考えてみましょう。なぜその人たちは投票するのでしょうか。私は、彼等が何かのきっかけで行動を起こし得る(これには投票も含まれます)だけのテンションの高を持っている、即ちHPに対してハマっているためと推定しています。従って入賞するにはそのような人を産み、そして増やして行くHPでないと難しいと考えられます。
 この推定が正しいと仮定した場合、ハマっている人を増やすにはどの様なHPを作ればいいのでしょうか。結論から言うと、内容の充実したHPを作ることです。例えば「AZ−1のHP」に対する感想の中で最も多いものの1つに、言い方は悪いですが「洗脳される!」というのがあります。拷問とか薬物を使用せずに洗脳する、言い換えればハマった状態にするためには、自分の主張・思いを強烈に印象づけるだけの様々な客観的事実・圧倒的な情報量が必要となってきます。それが内容の充実です。それには何度も言ってきた「5W1H+比較+思い入れ」でHPを作るのです。またHPを見ている人にとって役に立つ膨大な情報をひたすら提供し続ける献身的態度も、何かあったら協力しようと思う人を増やす土壌となります。この献身的態度はHPの作り手の情熱により生まれるものです。こういうHPを作ることができて、初めて行動してくれる(投票してくれる)人が現れるのだと思います。今回は「マニアックなHP」を例にしてHPコンテスト入賞に結びつく重要因子を推定してきましたが、他のお題目のコンテストでもハマった人が多くいると思われるHPが多数入賞しています。確認してみて下さい。
 以上のことをまとめると、Nikkei NETHPコンテストに入賞するには、以下の2つの条件を満たすことが必要と考えられます。
 といえるでしょう。なお、年間5万件のアクセスを達成するには1日平均140件のアクセスが必要となります。これはYahoo!で階層の深いディレクトリに登録されてない限り、達成不可能なものではありません。