海外図書紹介
 『マルクス兄弟:いんちき商売、
  我輩はカモである、競馬騒動』

 書籍名:The Marx Brothers: Monkey Business, Duck Soup and A day at the Races
 序文:Kahl French
 ISBN :0-571-16647-4
 出版社:fabor and fabor
 価 格:$18.99
 出版年:1993


<内容>
 マルクス兄弟の代表的な3つの映画の採録シナリオ。収録されているのは、パラマウント時代の代表作『いんちき商売』(33)とマルクス兄弟の最高傑作との呼び声高い『我輩はカモである』(33)、MGMでの代表作『マルクス競馬騒動』(37)の3つ。日本語の字幕ではいま少しニュアンスのつかみにくいギャグのおかしさを原文で楽しむことができる。グルーチョの攻撃的なギャグや、チコのシュールでナンセンスな駆け引きなど、映画とは違った楽しみ方ができる。特に『いんちき商売』は日本ではビデオが発売されていない(レーザーは発売されたが、廃盤になっている)ため、字幕の無い直輸入ビデオを見るしかないが、シナリオをあわせて見れば、内容が理解できるかも。
 ペーパーバック全261ページ。


<抜粋>
検察官「チコリーニ、お前は反逆罪で起訴されている。有罪になれば、銃殺だぞ」
チコ「異議あり」
検察官「はっ! 異議だと! どういう根拠でだ?」
チコ「他に何も言うことが思いつかないから」
グルーチョ「異議を認める」
検察官「閣下! 異議を認めるんですか?」
グルーチョ「そうとも。わしも他に言うことが思いつかないからだ。お前も異議を唱えたらどうだ?」
検察官「チコリーニ、お前が生まれたのはいつだ?」
チコ「覚えてないね。まだ小さな子供だったから」
検察官「フリードニアの戦争計画と秘密暗号を売ろうとしたのは事実か?」
チコ「そうとも。暗号と2組の計画を売ろうとしたよ。ははは。こいつは面白いジョークだろ?」
グルーチョ「これで20対1でお前は有罪だな」
判事「チコリーニ、お前には弁護士がいないのか?」
チコ「いないね。18ドルまでなら払ってもいいって言ったのに、誰も弁護してくれないんだ」
グルーチョ「諸君、この男の事件に私は深く感動しました。チコリーニを見てください。彼はただ一人で、みじめな(アブジェクト)姿で座っている」
チコ「異議あり(アイ・アブジェクト)!」
中略
グルーチョ「チコリーニ、1から10まで数えてみろ」
チコ「11」
グルーチョ「その通り」
中略
グルーチョ「諸君、このチコリーニはアホみたいに喋るし、アホみたいに見えるが、だまされてはいけない。彼は本当にアホなのだ」


<入手先>
94年、カナダのトロント大学の書店にて購入。


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2000年2月20日作成