ミニエッセイ [環境と未来]

by 中原 憬

環境と未来に関するとりとめのない日々の短い雑感です。

2002.04.08更新


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No.27 アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物
噛んでも虫歯にならず、却って予防になるという甘味料キシリトール入りガムが
フィンランドで開発され、日本でも発売されると、数年前のニュースで知った。
それは画期的で素晴らしいと、発売を心待ちにしていた。
やがて、キシリトールガムがご存知のように日本でも広く発売された。

そこで、好んで噛んでいた訳だが、このガム、噛むと強い倦怠感をもたらす。
最初は因果関係が分からず、何が原因だろうと調べていたのだが、
いろいろ試してみて、ようやくこのガムが強い倦怠感の原因だと分かった。

ただし、キシリトールが原因ではない。これは白樺の木からできる健全な食品だ。
一緒に使われるアスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物が元凶である。
これを口にすると、机に突っ伏してしまうほどのだるさが数時間以内にやってくる。

最近、カロリーオフを謳ってアスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物が
広く食品に添加される傾向にある。

うかつにこの化学物質を使ったジュースなどを飲んでしまうと、もうダメ。
カルピス、コーラ、カキ氷のアイスなど、多岐の食品に添加されている。
きちんと添加物をチェックしないと口にできない。少しも油断できない。
私にとって、これらは食品ではなく明らかな毒物である。

原因はよく分からないが、同じような症状を訴える人が周りにも出てきた。

このような危険な添加物はすぐに発売を止めてほしい。
子供の口に入れさせるべきではない。


No.26 核燃料の臨界事故その1
生命保険の免責条項をよく読んでみると、放射能による被爆は保険の対象になっていない。
しかし、関連施設の臨界事故があって以来、被爆の危険が身近になってきているといえる。

そもそも、誰かが言っていたように、機械は故障するものだし、人間は間違いを犯すものだ。
そして、放射能は、一瞬にして広範囲を長期間拭えない汚染をもたらす。
人の命や、自然の営みをたやすく奪ってしまう。

あってはいけない事故が実際に起こってみると、人にはもう逃げ場がないことに気付く。


No.25 核燃料の臨界事故その2
茨城の臨界事故は、人災である。

しかし、個人の操作ミスに責任が帰されるものではなく、組織の在り方の責任を問うべきだろう。
そして、今後の事故予防のためにこのような施設で働く職員の心理を研究する必要があると思う。

このような重大な責任を持つものを扱う組織には、ほとんど相互の馴れ合いが生じるものと思う。
このような組織では、あらゆる機会において責任を分散させてしまうような心理的機制が生じ、
組織としては、無責任で馴れ合う隠蔽体質に徐々に、しかし確実に変貌していくものに違いない。

たとえば、各個人が心理的な防衛として「こんなもの大したことないよ」と思い込むことによって、
プレッシャーを横に置いて責任を感じないように自分を慣れさせてしまうのだ。なにしろ、一度
事故が起これば、想像もできないほどの惨事となり、損害賠償額も計り知れない。自らの健康も
損なわれるだろうし、世間の非難も集中する。なにしろ、失敗は絶対にあってはいけないのだ。

そして、「事故なんて起こらない」と無意識に思い込むことによって、事故を招く心理的なスキを
自らが作り出してしまう。そして、そのように全員が思い込んでいれば、いざ行動しなくてはなら
ないときに、茫然自失となり、なすすべを知らない。センサーだけが反応し、人間が反応しない。

実際、トラブルが起こった際に、現実を直視する姿勢に欠けている人間が多いことが気になる。
組織ぐるみの隠蔽により、まず自己保身、責任逃れを図ろうとするひ弱さ。

このような核を扱う施設において、放射能を扱うという行為に責任を持って対処できる
個人の資質の育成と、組織の馴れ合い体質の排除が、早急な課題なのではないだろうか。

そもそも、放射能を扱うという行為に国家が責任をもっているかは、気になるところだけど。


No.24  核燃料の臨界事故その3
そういえば、臨界事故の直後にこんなメールが流れてきた。

昨日の夕方から現地近辺に入り、先程交代して帰宅しました。 某TV局の報道局に属している者です。

今回の事故、かなりの報道管制が敷かれており、NHKすら 大本営発表となっていますので、お気を付け下さい。
(中略)
一時期は午前4時近辺にて臨界による爆発が起きる可能性もある との事で、記者陣は日立市待機となりました。 (しかもヨード液を飲まされました)

ご存知の様に民放では、ニュース・天気予報などの報道局枠に電力がスポンサーとして入り込んでおり、NHKに於いても審議委員会の理事は電力各社の社長クラスという状況にあり、 現状では箝口令が引かれている情報も含め、数値を低く設定して公にして良い情報のみ報道されています。
2時13分通常、現場にはヘリが出たりSNG中継車が出る物ですが、今回は 全て待機し、現場の警戒線内に入ったり撮影をするなとのお達しが、局の上層部より出ております。
(後略)

確かに、電力会社のCMは、ニュース・天気予報の枠に多くあるよなあ。
でんこちゃん恐るべし。


No.23 花粉症
ついに、いよいよ、とうとう、結局、私も花粉症デビューしてしまった。嗚呼。
なんとなく、いたまがあたいし、鼻水も出る。
頭も回らない。ううん。

専門家の記事を読んでみると、30代〜40代の3人に1人が罹患しているのだそうだ。
そんなに沢山いるのか。
そんなに罹患率が増えているのなら、いまに日本人全員花粉症になってしまうのでは?
(後日補足:罹りうる人は日本人の5割だそうです。現時点で内1割がすでに罹っているとのこと)

こうなったら、杉の木を切って、ティッシュをつくるといいと思うな。
うちは、杉の木しか原料にしませんという製紙会社ができたらその会社のティッシュは
売れるに違いない。鼻をかむことで、杉の木を減らすことにつながり、めでたし。


No.22 表面/裏面
「これを買ってはいけない」という本が一大ベストセラーになった影響だと思うが、
最近、スーパーやコンビニの加工食品の添加物表示が
「裏面に表示」というスタイルに切り替わってきた。

わざわざひっくり返さないと見られないようになっている。
お弁当をひっくり返して裏面を見なさいというのか!?

日の光を当てられたとたんに物影に隠れようなんて、卑怯ではないか。
そんな根性で食品を売っていたのか!?


No.21 独身男性の憂鬱
クローン牛の肉や、遺伝子組み換え食品が一部で明示されて販売されるとのこと。

当然、印象が悪いので、安くなる。
すると、原価を安くしたい食堂、レストラン、お弁当屋、
加工食品メーカーが恒常的に購入するようになる。
いちいちお客さんに、これは、
「遺伝子組み換えした大豆の煮豆とクローン牛を使ったハンバーグです」
なんて説明する必要ありませんから。

このような食品は、外食の料理、お弁当、インスタント食品の形となり、
自分で料理を作る時間のない独身者の男性が多く口に運ぶことになる。

これから子供をつくろうという人の食の世界が乱れていくのは怖い。


No.20 毒と毒
殺虫剤や防虫剤のCMは、人目を引くような奇抜でどぎついものが多く使われる。

害虫の緻密でグロテスクなアップが使われたり、理解に苦しむ
脳天気な行動を繰り広げるナンセンスなものだったりする。

このようにインパクトの強いCMを流すことで、殺虫剤、防虫剤のもつ
ネガティブな本来の毒性から人々の意識をそらしているような気がする。

最近、一般の人々の血液中から防虫剤の成分が検出されたというニュースがあった。


No.19 ビタミン剤
ミニペットボトルのカルシウム入りドリンクのパッケージを見ると、
「これ1本で牛乳1.5本分のカルシウム入り」と書いてある。
そりゃ、結構。骨が強くなっていまに階段で転んでも
骨折しなくて済むだろう。

−−−−ふと、かつてこれと似たような感覚を感じたことを思い出した。
ああ、ロールプレイングゲームでアイテムを手に入れたときの感覚だ。

「100ポイント回復分の魔法の傷薬を手に入れました」。
そりゃ、結構。防御力がアップしていまに敵にやられても
ゲームオーバーにならなくて済むだろう。

さっき新聞をみたら、20代の7割の人が
健康食品を口にしているそうだ。


No.18 これからの環境
20年前なら、花粉症やアトピー性皮膚炎がこれほどに一般的になるとは
誰も予想していなかっただろう。

穏やかな気候を愉しむべき春に、日本人の何割かの人々が外出の自由を
奪われることや、産まれてくる赤ん坊の何割かに皮膚病が発病するなんて。

少しずつ進行する環境汚染に人々は慣れていってしまっている。
いまにシックハウス症候群や化学物質過敏症もいまに日本人の何割かが
当たり前のようにかかる病気になるのかも。

この先20年後には、想像もつかないような環境汚染に人々は
慣れてしまっているのだろう。

たとえば、雨の日の翌日しか外出できなくなるとかね。


No.17 空気と水と大地と太陽
空気清浄機と浄水機がこれだけ普及しているということは、
空気も、水も徐々にダメになっているということだろう。

太陽もオゾン層の破壊により、有害な紫外線が皮膚ガンを誘発している。
大地もダイオキシンで汚染されつつある。

人々のよりどころとなるべき基本前提が、ゆっくりと崩れつつある。


No.16 命の値段
精子バンクがどんどん発達していくと、当然のことながら、IQの高いものや
ブルーの瞳や金髪のものなど人気のある精子が高く取り引きされるのだろう。
ものの取り引きがあれば、売れ筋、死に筋、そして相場ができる。
これは、ひとから精子を切り離して扱えるようになり、商品化できるように
なったから起こることなのだろうな。

もともと頭の切れる人や、美人は社会的に価値が高い。これは現実。
しかし、問題は、人ではなく、命に対して値段をつけてしまっていることだ。

きっと、精子にではなく、赤ん坊に対してそれだけの値段がついていると
錯覚する人達が出てくることだろう。


No.15 地球にやさしい
人間とは、地球にとって汚し屋さんであると同時に、汚染物質を
その体内に取り込んでくれる掃除屋さんかも。


No.14 車と石油
石油の世界的な可採年数はあと50年を切っている。
ガソリンがなければ、車は動かない。
世の中にこんなに車はあるのに、あと50年でみんなゴミか?
一体どこに捨てるんだろう


No.13 飛行機と石油
原油が枯渇すれば、ジェット燃料が精製できない。
すると、飛行機が飛べなくなるのだろうか?
50年後にはもう海外旅行ができないのだろうか?
電気飛行機なんてものはできないだろうし。

飛行船の時代が到来か。のんびりし過ぎだな。
原子力飛行機の時代か。技術的には原子力エンジンがコンパクトに
なるから可能だろうが、飛行機は墜落しますからねえ。
着陸失敗のたびに空港閉鎖では元が取れない。
結局、飛行機は軍用だけになるのだろう。

すると、民間人は飛行機には乗れなくなり、海外旅行するには
原子力船の船旅という時代になるのでしょう。


No.12 プラスチックによる海洋汚染
プラスチックによる海洋汚染が広がり、海岸に打ち上げられる
ごみを拾っても拾ってもきりがないという。
腐敗して土に還らないので、ごみの層が年々蓄積しているという。

でも、大丈夫。
だって、あと50年で原油が産出しなくなり、
プラスチック製品の生産がストップするから。
その後、人類は一生懸命にプラスチックごみを資源として
拾い出すようになると思う。
プラスチックごみから石油を抽出する技術はすでにありますからね。


No.11 夢の島
夢の島は、プラスチックが腐らずに埋まっているから、いまに本当に
資源の宝庫、夢の島になるかも。
天然(?)ガスも出るし。


No.10 臭いの意味
動物にとって、自己の発する臭いとは他者との適正な距離を維持するためのものだ。
つまり、それは、縄張りだから近づくな(あるいは子孫を残したい
から近づいてくれ)というサインだ。
こうして、野生の動物は臭いのコミュニケーションで自己の領域を調整する。

これに対し、自己の臭いを消し去った現代の日本人は、一個所に群れすぎても
その隠れた危険に気付かない。

その場の生態系、環境を破壊してしまうことはもちろん、食料も外部から調達
しないといけない。高いストレスにさらされる個体もいるだろう。

朝の通勤時、こんなに人が群れていていいのかな、と思う。


No.9 ダイオキシンの行方
ダイオキシンは水と大地を汚し、やがて食物連鎖で人体に集積されていく。
たとえば、水、植物、豚、人間へという順番で。
そして、人体に蓄積されたダイオキシンは、妊娠時に胎児に集まる性質があるという。
胎児に行かなかった分は母乳に集まり、結局、胎児にそのほとんどが集められるという。

最終的に、史上最強の毒物は人類の最も弱い部分に集中していっている。


No.8 命のはじまり
環境汚染で、精子が減ったり、胎児に異常が現れるのも、それが一番弱い存在だから。
もっとも弱く儚い命だから。
でも、それが命の始まりなのに。

そういえば、社会で子供に異常行動が現れるのも、彼らが弱く、社会の始まりにいて、
社会の毒がそこに回りやすいからだろうな。


No.7 負の遺産
出産経験のある女性と出産経験のない女性では、前者の方の平均寿命が長いという。
ほとんどの毒素が胎児に行ってしまうからということだ。


No.6 タバコを吸う若い女性
タバコを吸う若い女性は好ましくない。
現在、あるい将来に宿す胎児の健康を害することを考えていないから。
ニコチンの胎児に対する毒性は非常に高い。
何のために吸っているのですか?


No.5 胎児の性質
ダイオキシンだけではなく、その反対の性質のものも、すべてが
胎児と母乳に集められるのだろうな。
母乳は赤ん坊の免疫力を高めるなど、不思議な性質が知られているし。
良くも、悪くも、胎児は母体の因子すべてを集めるのだろう。
女性は大地と一体と考えると良いのかも知れない。
そうして、人間はこの世界に合わせて生まれてくるのに違いない。


No.4 食べ物とは
ある日、食べ物とはいのちそのものである事に改めて気付いた。
すべては、動物の体の一部か、植物の体の一部なのだ。
それは、食べられていなければ、生きて成長していたいのちだったのだ。
動物の体の一部、乳、そして植物の種子、果実、葉、茎、根、花のいずれかが
さっき食べた食事の大元だということだ。
現代文明に生きていると、そんな当たり前のことさえ忘れがちになる。

結局、いのちを取り込んでいのちを生かしているということだ。


No.3 精力剤
そういえば、精力剤というものは、まむしとか、スッポンとか、おっとせいとか、
生命力の旺盛なものからできていると思いませんか?
生命力というのは、そういうものなんだろうか?
それとも、純粋に成分の問題なのだろうか?


No.2 劣化ウラン弾の放射能汚染
イラクに救援物資を届けるボランティアに出入りしたことがあるが、そこで劣化ウラン弾の
影響を調査した資料を見せてもらった。多数の癌の発生や奇形児の出産が続いているという。
死産した奇形児の写真も載っていたが、それはもはや人間の形をしていなかった。
恐ろしく、無念なことだ。戦争は愚かしい。


No.1 環境ホルモン汚染
男性の精子の数が減っているという。ある時期から子供の出産率が減り始めるのだろうな。
いまに妊娠することがニュースになるかも知れない。そうしたら人のクローン研究に
ゴーサインが出て、精子バンクが大企業となるだろう。
高齢化社会を迎え社会保険が破綻している日本は、アジア各地の移民で溢れて
アメリカのような移民国家とならざるを得ないのだろうな。




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