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■『文学賞メッタ斬り!リターンズ』、8月21日発売(→amazon | bk1 | 楽天 | 7&Y
『特盛! SF翻訳講座』(研究社/1800円+税)発売中→amazon | bk1 | 7&Y | 紀伊國屋 | ジュンク堂 | 丸善 | 楽天 | e-hon



【8月26日 浅倉さん出版記念会】


 国書刊行会『ぼくがカンガルーに出会ったころ』『グラックの卵』刊行記念大宴会@日本出版クラブ会館。いまや日本を代表するSF編集者のひとりにのしあがった樽本周馬@国書刊行会の仕切り。発起人のところに大森の名前が入ってますが、わたしは何にもしてません。日時も会場もよく知らなかったぐらいで、だれが招待されてるのかもわからない。会がはじまると司会はなぜか小浜徹也@東京創元社だし(スピーチの依頼を断って、「司会ならやってもいい」と言ったらしい(笑))。発起人代表で乾杯の挨拶に立った森優氏(SFマガジン元編集長/筆名・南山宏)は、浅倉さんと翻訳SFの歴史について30分近くにわたって熱弁。SF時代がよほど懐かしかったのか、絶好調でした。
 出席者は、小尾芙佐さんと深町眞理子さんとか、鏡明さん(写真右。左は浅倉さん)とか、曽根忠穂さんとか、珍しい人多数。
 二次会は神楽坂の居酒屋の広大な座敷。三次会は飯田橋カーニバル。おお、こないだここに来たのは忘れもしない昨年10月7日の鮎川賞パーティ後。このロビーで吸った煙草がまさか最後の一服になろうとは……。
 と感慨に耽りつつ部屋に入り、(社員以外は)国書刊行会とはほとんど関係ないメンツばかりで午前4時まで。白石朗が5曲連続で歌いつづけたりしてもうたいへんでした。最後は、うちの書庫に泊まる水鏡子師匠のほか、酒井昭伸・白石朗の葛西方面組とタクシー帰宅。

 さらにその翌日は、水鏡子師匠とお昼ご飯を食べてから、昨日は歌えなかったさいとうよしこを交えてまたしてもカラオケを歌っていたところ、浅倉宴会で上京中の細美遙子(幹遥子)から電話。子供の土産を買うためにテレ朝ショップにいるというので、さいとうよしこが「だったらアストロ球団Tシャツとタオル買ってきて」と頼んだところ、その買い物によって渡された福引き券2枚のうちの1枚がみごと大当たり特賞!グアム島3泊4日ペア旅行。
 夕食のために西葛西にやってきた細美遙子から「グアム島旅行目録」の現物を見せてもらったけど、いやあ、こんあことってあるんですねえ。当たったのはうちの買い物のおかげなんだから、旅行の一人分は権利を主張してもいいと思うんだけどどうですか。行列のできる法律相談所にぜひ相談していきたい。
 しかも肝心のTシャツは、広げてみたらアストロ球団じゃなくてラルク・アン・シエルだし。ま、グアム旅行のための尊い犠牲かな。
 というわけで西葛西にやってきた強運の細美遙子さんと水鏡子師匠と酒井昭伸先生とうちの家族で焼肉@大将。 さらにその翌日の昼飯も水鏡子師匠とカレーを食べました。師匠孝行ってやつかな。

 ところで今年はワールドコンがいつもより一週間はやかったらしく、まだ8月なのに早くもヒューゴー賞が決定。
ノヴェラ部門をコニー・ウィリスのInside Jobが受賞した。これは、いんちきチャネリング商売で稼ぐ女霊媒にH・L・メンケンの本物の霊が憑依して……というウィリス十八番のロマコメ。 一人称主人公はオカルト詐術の実態を暴く雑誌の編集長ってことで、皮肉もたっぷり。めちゃめちゃ笑えるんだけど、全然SFじゃありません。ウィリス人気はいまなお強しってとこですか。メンケン(1880-1956) は、皮肉屋で知られるジャーナリスト・作家・編集者・哲学者。アメリカの宮武外骨というか黒岩涙香というか花田清輝というか、そんな感じの有名人です。Inside Jobは独立した単行本としても刊行されているが(『リメイク』やBellwetherのパターン)、分量は200枚ちょっとしかない。ヒューゴー賞受賞で出しやすくはなったけど、どういうかたちで出すのがいいのか悩ましい。なにしろ『最後のウィネベーゴ』にしても4本しか入ってないので、あと2冊は短編集がつくれるんだけど。



【8月22日  探偵小説研究会CRITICA創刊号】


 めちゃめちゃ面白いと評判なので、夏コミで買ったのを海水浴に持ってって、奥日立きららの里で読んだ。まだ半分ぐらいだけど、『「第三の波」の帰趨をめぐって』座談会と、瀬名秀明インタビューと、千野帽子の読者共同体論は、外野の人間が読んでも楽しい。
 座談会(というより、ほとんど笠井潔独演会)でいちばん笑ったのは、笠井さんの
「『容疑者X』を争点とした「選挙」に負けたのですから、下野するしかありません」 という宣言。
 本格ミステリ大賞を無理やり笠井体制信任投票にしてしまう剛腕。結果はともかく、政治手法としては、まさに小泉純一郎式。こういうのも、怪物と戦う者は怪物になっちゃうってやつですか?
 ここは笑うところだろうと思うけれど、笠井さんの場合、すごく本気だったりすることがあるので油断できない。 ちなみに、『容疑者X』って、SF的に解釈するとフレーム問題の話で、殺人をおかしたロボット(またはエイリアン)のホワイダニットとも読めるんじゃないかと(瀬名インタビューを読みながら)思った。
 あちこちに喧嘩を売りまくる千野帽子原稿は、外部から見た一種のファンダム論(なので、SFの話にもそのまま置き換えられる)。笠井さんの主張とも微妙にかぶりつつ、ジャンル小説読者のオヤジ性を暴く。あるいは、自分語り書評撃滅宣言。トヨザキ社長といますぐタッグが組めそうです。
 中身は正論。とはいえ、幸福な読書共同体体験(大学ミステリ研/SF研etc.)を共有するジャンル小説読者からは、「かわいそうに……」と同情されるだけに終わる危険性も高そう。あと、作品批判が中途半端に入ってるのは弱点。エンタテインメントvs純文学の構図は使わずに、ミステリ読者共同体に絞ったほうが反論されにくかったんじゃないですか。

 ……と思ったら、二階堂黎人がすかさず(見当違いの)反論。さらにその後、田中幸一@「アレクセイの花園」もmixiで大々的に批判。千野帽子の作戦はみごとに図に当たったようだ。
 騒動のおかげでCRITICAは売れまくってるらしい。ブックファースト渋谷店やジュンク堂池袋本店に置いてもらえばいいのに。1000部ぐらいはすぐ捌けると思います。

 緑メッタとほぼ同時に出た杉江由次入魂編集の北上次郎『エンターテインメント作家ファイル108 国内編』を拝受。なんにもしなくてもこんなに立派に編集されてDTPの仕上がりも美しく完成するとはうらやましい。いつかこういう書評集をつくりたいと思いつつ熟読。ああ、突っ込みたい!(笑)

【8月19日 緑メッタ発売】


都内の一部書店にはすでに緑メッタ(ハヤシさん命名)こと『文学賞メッタ斬り!リターンズ』が並んでいる模様。amazonでも受付がはじまってます。

更新ついでに、『特盛! SF翻訳講座』特設ページに感想リンクを追加。書いてくださったみなさま、ありがとうござました。わりあい好評でほっとしました。今回増えたのは以下のとおり。抜けてるのがあったら教えてください。
「blue_blue's blog」 | 「プリオシン海岸」 | 「回転失業中」 | 「revelationの日記」 | 「Steptext」 | 「菜園す&Fiction雑記帖」 | 「SAMPU」 | 「森へ行きましょう」 | 「「うつ」から復帰への道すじ」 | 「Floatage」 | 「雲上四季」 | 「琥珀色の戯言」 | 「rambling life」 | 「ぼくはいつもてきとう」 | 「z is for zokkon」 | 「kureiyumの日記」 | 「ハテナブレイド2」 | 「エンタメ系で逝こう!」 | 「drunker’s high 」


【8月10日 宇山さんのこと】


宇山さんが8月3日に亡くなって、今日は川崎でお通夜だった。
3年前のほんとに元気がなかった頃と比べると最近はずいぶん調子がよさそうだったから安心していたのに、ほんとに突然の訃報。

この日記にも何度となく登場しているが、宇山秀雄(日出臣)氏は、元講談社文芸局第三出版部長で、新本格の生みの親。その功績を称えるべく、2004年には第4回本格ミステリ大賞特別賞が贈られている。最近の大きな仕事としては、講談社《ミステリーランド》をゼロから立ち上げ、うつのみやこども賞特別賞を受賞。
 綾辻行人と法月綸太郎の新刊を同時に《ミステリーランド》から出したあと、「こんなことはもう二度とないかもしれないね」と宇山さんがすごくうれしそうに言ってたのをよく覚えている。単発の単行本としては最後の担当本となった寮美千子『楽園の鳥』は、泉鏡花賞を受賞した。

どんなに恵まれた編集者人生だったかは、葬儀に集まった作家たちの顔ぶれが証明している。実績においては、たしかに天才編集者とか名伯楽とか呼ばれるべき仕事をしているが、宇山さんにはどうもそういう言葉が似合わない。辣腕編集者というより、愛される編集者だった。なんでもかんでも面白がり、こうと決めたらとことん突っ走る猪突猛進型で、あり金全部を1点に張る勝負師だった。およそ編集者っぽくないところが宇山さんの最大の武器だったのかもしれない。

宇山さんと初めて会ったのは、僕がまだ編集者だった1985年ごろ。もう20年ちょっと前のことにになる。『宇宙船メビウス号の冒険』の原稿をとるために川又千秋氏のマンションに通ってたころ、川又さんから紹介されたんだと思う。宇山さんは講談社ノベルスで『星狩人』シリーズの担当だった。もちろん新本格は影もかたちもなく、当時の僕は、「講談社にもSFにくわしい編集者がいるんだなあ」とぼんやり思っていた。『虚無への供物』を文庫にするために講談社に入ったとか、その種の宇山伝説を知るのはずっとあとのことで、その頃は、酒を飲みはじめたら止まらないことぐらいしか知らなかった。

僕が新潮社を辞めてからしばらくは会う機会もなかったが、新本格ブームとともに宇山時代が到来。なんだかんだで、一時は毎月のようにどこかで顔をあわせていた。朝まで飲んだり、我孫子さん引率のツアーで宇山夫妻といっしょにスキーに行ったり、夜中に並んでラーメン食べながら愚痴を聞いたり。

記憶の中の宇山さんは(部長になる前ぐらいの)めちゃくちゃ元気でアクセル踏みっぱなしのノーブレーキな宇山さんなので、亡くなったと聞いても実感がない。結局、最後の最後までスピードを落とせないまま――会社を辞めてものんびり暮らすことができないまま――逝ってしまったんだなあという気がする。その宇山さんにつきあってずっと面倒をみてきた奥さんはほんとに大変だったと思います。

お通夜には、文字通りの宇山チルドレンにあたる京大ミステリ研OB組やメフィスト賞作家陣はもちろん、岡嶋二人デビュー以来、四半世紀以上のつきあいになる井上夢人さん、谷山浩子さんや篠田節子さんも出席、深夜まで思い出話に花が咲いてました。めちゃめちゃ暑い日で喪服がびしょ濡れになるほど汗をかいたが、考えてみればそれも宇山さんにはふさわしい。


【8月5日 第一回目黒考二杯争奪ボウリング大会@笹塚】


本の雑誌チームvs新潮社チームの対決に、新潮社OBとして参加。
主目的は、ハイスコア231、一次はアベレージが200を超えていたと豪語する北上次郎の打倒だったんですが、顧問は寄る年波に勝てず、最高が136とかの体たらく。こんな人を相手にしていてもしかたがないので主に炎の営業・杉江と対決。しようと思ったらつい本気を出してしまい、大森は今世紀初めてのボウリングだったにもかかわらずハイスコア168を叩き出してあっさり優勝。3ゲーム合計でも451と、2位になった負けず嫌いの炎の営業の人とは50点の大差。ま、顔を洗って出直してきなさいっていうか、さいたま市でレッズでも応援してなさいってこった。ふふふ。 しかし本の雑誌社編集部のFC東京サポ藤原は2ゲームやって合計が150点とかの世界だし、編集部の先輩M村嬢は僅差ながらさらにそれを下回るという状態だったので、本の雑誌は営業でもっているといっても過言ではない。
チームの対戦は、大森の尽力の甲斐あって新潮社組が勝利。笹塚ボウルに高々と社旗が翻った。なんかね、本の雑誌組はこの日に備えて笹塚ボウルで練習とかしてたらしいんですけどね。ふうん。

大会なんだから最低でも6ゲームは投げるんだろうと思ってたのにボウリングは1時間半であっさり終了、鍋家幡ヶ谷店で打ち上げ。ボウリングにかこつけて飲みたいだけかい! しかし料理はなかなかうまかったのでまた行こう。その場で表彰式も行われ、優勝賞品として、目黒考二が葉山で買ったブランド物ビーサンと、ホネフィルムが在りし日に製作したノベルティTシャツを獲得。

本の雑誌といえば、書評系SNS(?)のWEB本の読書部が正式オープン。大森はここ。ここで新刊書評を書いて、集めると本の雑誌の書評になるようにするとらくちんだな。無理か。


【8月1日 ゆれる/北上/花火】


早く目が覚めたので、SIGHT対談@渋谷の前に、映画の日を利用してアミューズCQN@宮下公園前。こんな洒落たビルがいつのまにできたのか。しかし「神の左手悪魔の右手」を上映してるようなビルなのでおそるるに足らずぢゃ。1時間近く前に着いたら整理券が56番。さすが評判の映画だ。客層は40代女性が中心。次が30代女性で、ほかに若い男性客やカップルもちらほら。開映時にはほぼ満席。驚いたのは予告編でいきなり「遙かなる時空の中で劇場版」が流れたこと。アミューズCQNでやるのか。すごいなあ。女性向けという括りがそこまで強力とは。しかし「ゆれる」に来てる客がクウガからオダギリジョーにハマったオタク系お母さま層だとすると、あながちはずれてないのかもしれない。

「ゆれる」は評判どおりの秀作。あまりにベタな8mm映画の使い方以外はおおむねよかった。男兄弟はたいへんだねという話。洗濯物を畳むシーンがすばらしい。干すところはちょっとやりすぎ。思ったよりミステリだったので驚いた。

ブックファースト渋谷店に寄って、ハヤシさんと四方山話。徳島の紀伊國屋でやってる4社合同SFフェア(早川、創元、国書、河出)は全国を巡業する予定で次は東京公演@ブックファースト渋谷だそうです。河出の人はそれまでにちゃんとPOPを書くように。

てくてく歩いてインフォスタワー。北上次郎といつもの読むのが怖い!対談@SIGHT。北上次郎は山本弘『アイの物語』を絶賛。やっぱりなあ。

夜は恒例の江東花火大会見物SF系焼肉宴会@西葛西。花火のあいだ、キリカは号泣しっぱなし、トキオはずっと耳をふさいでました。拷問? 


【7月27日 デ・パルマ版「ブラック・ダリア」】


「普通に傑作」と評判http://mixi.jp/view_diary.pl?id=174915631&owner_id=16498ですが、ほんとに普通に傑作だった。なんかまともすぎて。いやもちろんデ・パルマらしいところは随所にあるんだけど、「ファム・ファタール」の次がこれかよ。原作が立派なので映画も立派になっちゃったのか。

しかしブラック・ダリア役がミア・カーシュナーだったとは。トロイ・エヴァンズ(ERのフランク)も出てるから、24対ERのTV脇役対決か。


【7月26日 久々更新】


またまた3ヵ月近く更新さぼっててすみません。この3ヵ月は主に『文学賞メッタ斬り!リターンズ』とワールドカップとコニー・ウィリス中編集の仕事に忙殺されてました。ってmixiでは日記書いてるんだけど。公開範囲を広げるかな。登録名は大森望。ニックネームはnzmです。


【7月16日 倉橋由美子NOW@ジュンク堂 】


トヨザキ社長に招待してもらったのでジュンク堂の倉橋由美子没後1周年記念トークセッションに行ってきました。
古屋美登里さんの語る、倉橋さんのラブリーなエピソード群に爆笑。僕は40年間に3回ぐらいしかお目にかかってないんですが、今日いらっしゃっていた次女のさやかさんが生まれるより前に倉橋さんに会っていたのが自慢。といっても、出会いが早すぎて自分では全然記憶してないんだけど。

僕が小学校上がる前ぐらいに、母親が帯屋町の喫茶店で倉橋さんにお目にかかったとき、一緒にいた僕が折紙を折ってくれとねだったらしいんですよ、倉橋さんに。で、倉橋さんはそういうことがたいへん不得手だったらしく、おもむろに折紙を手にとると、半分に折り、それをもう半分に折り、てのひらにのせて差し出し、
「はい、座布団」とおっしゃったという。

大の倉橋由美子ファンの川又千秋氏をうらやましがらせようと思って20年ぐらい前にこの話をしたことがあるんだけど、川又さんがそれをそのまま『三百字小説』の一編に書いてるのを読んだときはコーヒーを噴きそうになりました。油断大敵。

ちなみに大森の母校の土佐高は倉橋さんの出身校。私立なんで、僕の高校時代には、倉橋さんを教えた担任の先生(『全作品』の月報に原稿を寄せてた人)がまだ在籍してて、すごく不思議な気がした。ちなみに倉橋作品では、ご当地ものの『暗い旅』をべつにすると、『アマノン国往還記』『シュンポシオン』あたりが好きでした。

打ち上げの鳥良では千野帽子夫妻、高原英理氏と、主に『容疑者X』論争およびSFの話。千野帽子氏とは初対面でしたが、あんな人だとは思わなかった。かなり意外。あ、倉橋作品に影響された少女マンガってことで、柴門ふみの初期作品(『ライミン・フーミン』に入ってたやつ)に千野さんが言及してたのが印象的というか、そうそうそうと懐しかったな。「祭りの準備」と『暗い旅』でできてるような短編描いてたのよ昔は。


【7月13日 芥川賞待機宴会】


青山墓地でも東京タワーでも東京都庁でもなくおなじみ新潮社クラブで実施されている中原昌也待機宴会に侵入。中原組は東郷神社と靖国神社に必勝祈願のお参りをして神と出会ったらしい。待機ドキュメントは柳下毅一郎/仲俣暁生が次号〈小説トリッパー〉でレポートする模様。参加者は、各社編集者のほか、おなじみ青山真治&阿部和重に、とつぜんやってきた渡辺直己とか豊崎由美とかの各氏。
 受賞作決定がはやかったおかげで、だんだん話がとぎれがちになり、重い沈黙が垂れ込めてきたころ電話のベルが――というお約束の展開にはならず残念。しかし落選が決まっても人が減らないどころかどんどん増えはじめるのが中原くんの人徳ですね。
 さらにその後は真夜中の蓮實重彦邸急襲とか、新宿ゴールデン街でロフトプラスワン組(町山&柳下)と合流とか、朝までいろいろあったらしいが、オレは東京FMで芥川賞・直木賞予想をしゃべるために午前6時起きだったのでとっとと帰って寝た。

 受賞作決定を受けてのコメントはここ。コメント欄がちょっと盛り上がりましたがすぐ終息。


【7月7日〜10日 ずんこんと仙台】


 日本SF大会から帰宅。
 子供たちはシール交換でたいそう盛り上がってました。トキオは当然としてキリカまでハマるとは……。 2歳でも一応、交換の意味はわかるらしい。
 しかし子供二人連れていくと企画はなにも見られない。もうちょっと大きくなると勝手に遊ぶだろうが。いや、すでに屋外プールのリモコン操縦企画とかで勝手に遊んでたけど。

 SFファイブリーグでお世話になった皆様、ありがとうございました。ただすわってるだけだった人はとくに申し訳ありません。
 翻訳パネルはとなりにすわってた日暮さんが機嫌のいい酔っ払いおやじモードに突入、マイク持ってる人がしゃべってる最中にも「なんかまじめな話してるよねえ」とかどんどん話しかけてくるので大変でした(笑)。
 星雲賞ノンフィクション部門は予想通り『失踪日記』。予想が当たってもうれしくない(笑)。昔は吾妻さんもSF大会よく来てたのになあ。ミヤコンでは安田(均)さんとかと麻雀して負けてサイン色紙置いて帰ったとかいう伝説があったり。いしかわじゅんと対決したのはTOKONVIIだっけか。

 仙台では駅前のホテルモントレ仙台に前泊。部屋は広くてなかなかよかった。スパ券つきのプランにしたんで、子連れで二回入浴。ずいぶん安いと思ったら仙台は全体にホテルが安いらしい。夜は先乗りしていた小浜家&堺三保と牛タン食いまくり。小浜徹也大推薦のずんだシェイクは翌日飲んだらたしかにわりとイケました。駅ビルのずんだ茶寮はけっこうおすすめ。
 ホテルのすぐそばだったのでジュンク堂仙台店とロフト店も覗いたけど、間が悪くて、「名作平積み大作戦」でご一緒したロフト店の店長とは会えずじまい。ロフト店はゆったりした感じでくつろげる雰囲気。古いほうの店は、エンドーチェーンのテナントビルに入ってるんだけど、1階2階が渋谷109化しててギャルしかいません。とてもジュンク堂が入ってるビルには見えない罠(笑)。

 2日目は雨だったので松島観光をあきらめ、松島水族館マリンピアで子供を遊ばせ、仙台でずんだ茶寮のずんだシェイクを飲み、午後7時半に帰宅。 ばったり倒れて目が覚めたら決勝だった。3位決定戦も見てないのに。そしてマテラッツィのひとり舞台。ネスタの負傷がこれほど大きな置きみやげを残すとは!
 それにしてもジダンはアホすぎる。いや、ベッカムやルーニーと違って、一見かしこそうに見えるのが始末に悪いだけか。アホに同情する声が多いのは人徳?


【7月1日 M杯終了】


文学賞最大の祭典、4年に1度のM杯こと文学賞メッタ斬り!カップが本日開催され、厳しい予選を勝ち抜いた32代表が集合(参加資格は、最低一個の文学賞をこの2年間に受賞していること)。
 グループリーグを突破した16チームによるノックダウン方式のトーナメントを経て、優勝タイトルが決定しました。いずれメッタ斬り!文学大賞が贈られる予定。 結果発表は『文学賞メッタ斬り!リターンズ』にて。出るのかほんとに!? 一応、8月中旬刊行予定。


【6月26日 小説原作の邦画試写2本】


「夜のピクニック」@京橋メディアボックス。いや、これはかなりいい出来じゃないでしょうか。多部未華子もタイムリーだし、興行的にもかなり期待できそう。 しかし宣伝コピーのメインが「第2回本屋大賞受賞作品待望の映画化」っていうのは……。「博士の愛した数式」効果?
 明後日の夜は新橋ヤクルトホールで本屋大賞タイアップ(?)の書店員向け披露試写がある模様。恩田さん、長澤監督はもちろん、主演コンビも舞台挨拶に立ち、書店員の皆様との記念撮影とかもあるらしい。いいなあ。
 ちなみに、こないだ初めて見て腰を抜かした読売新聞の多部未華子CMはここで見られます。メイキングもあり。

「暗いところで待ち合わせ」の内覧も見た。田中麗奈の全盲演技はすばらしい。日本のオードリ・ヘプバーンへの道を歩むのか?
それにしてもあの原作から考えると90分ぐらいの映画になりそうなのに、2時間10分越えてるのはどうか。 そもそも天願大介の得意分野じゃない気がするんだけど……。
この映画も、ウリは「乙一原作」だそうで、女性ファン向けにシネスイッチ銀座で11月に公開するらしい。しかし年齢層が違うんじゃ……。



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