積読寸評

読了するのはいつの日か…… (2004/04/12)

Robin Hobb, "The Farseer Trilogy", "The Liveship Traders", "The Tawny Man"

日本では未紹介だが、既にかなり多くの作品を発表しており、海外では熱狂的なファンも多い。
私の感想では、面白さ・文学的深みともに、ル・グィン、トールキンを上回っていると思う。

ここ数年の話題となっているのは、以下の3部作シリーズで、2003年に3シリーズ目が完結した。

David Eddings と並び、「買ってくれオーラ」を放つ魅力的な表紙。
格調の高い文体を味わうなら原書の方がよいが、とにかく厚いので、早く誰か訳して欲しい。


James Joyce, "Finnegans Wake"
ジェイムズ・ジョイス、『フィネガンズ・ウェイク』

柳瀬尚紀による奇跡の翻訳が出てから既に10年以上経過、文庫版まで出てしまった。

それぞれ発売と同時に購入。自分の積読の中では、最も古い部類に入る。
一時期かなり読んだが、それでも、一日に数頁。
20世紀中に読んでおこうと思ったが実現できなかった。しかももうすぐ2005年。
2010年までには、終わらせたい。

「『フィネガンズ・ウェイク』というのは、いったい何なのか?」というのを手っ取り早く知りたい人は、
『フィネガン辛航紀―『フィネガンズ・ウェイク』を読むための本』がお薦め。
訳者による、翻訳秘話となっている。

「柳瀬訳にはついていけないので、多少なりとも普通の文章で読んでみたい」という人には、
宮田 恭子 訳、『抄訳 フィネガンズ・ウェイク』がお薦め。
柳瀬訳もすごいが、このように、普通の文章で訳してしまう(しかもダイジェストの解説付き)というのもすごい。 どちらがよりすごいか、と聞かれても判断がつかない。

「訳ではなく、原文で読みたい」
という人には、やめた方がよい、ということを助言する。


  『枕草子*砂の本』  

E-mail : kc2h-msm@asahi-net.or.jp 三島 久典